生きる(韓国) – アジアフォーカス福岡国際映画祭2015 –
- 2015.09.23
- Last Update: 2015.10.14
- Movie 福岡国際映画祭2015
- アジア映画
「生きる / Alive」
★★★★☆
邦題 | 生きる |
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英題 | Alive |
製作国 | 韓国 |
製作年 | 2014年 |
監督 | パク・ジョンボム |
上映時間 | 175分 |
それでも、もがきもがいて生きていく
建設現場で働くジョンチョルの人生は何ひとつうまくいかない。賃金を横領し逃げたチーム長の代わりに賃金を催促する同僚たち、両親を亡くしその後遺症で精神を病んだ姉、姉の代わりに世話しなければならない姪。建設現場での職を失った彼は、冬を越すために江原道の味噌工場で働き始めるが…。そこにも厳しい現実が待ち受けていた。生きるためにもがく姿を淡々と、そして力強く描いた作品。監督自身主役を演じる。
「生きる / Alive」
「あるところには”ある”」極限の不幸。
生まれながらに格差があり、資本主義の渦に巻き込まれる。
生まれながらに格差があり、資本主義の渦に巻き込まれる。
生きることができない。
死ぬこともできない。
細々と愚直に生きていく人たちに、畳みかけるように降りかかる不幸。
不幸の連鎖が止まらない。
何一つうまくいかない。
それでも生きていかなければいけない辛さ。
ジョンチョルは、これ以上失うものが無いというところまで落ちたときに気付く。
お金を横領して逃げたチーム長の家の玄関ドアを外したが、外すことでは幸せになれないことに。
厄介だと思っていた姉に「出ていけ」と追い出したが、追い出すことで幸せになれないことに。
姉がいつか家に帰れるように、街灯を付ける。
チーム長がいつか家に帰れるように、玄関のドアを付けに行く。
最後に、人間らしく「生きる」姿を見せるジョンチョルに涙。
姉の娘「ハナ」は、ひとつの希望(ハングルでハナはひとつという意味)となる存在であり、ジョンチョルの、そして将来の希望の光なのかもしれない。
脚本・主演ともパク・ジョンボム監督が務めている。
今回は自分が演じることを想定して脚本を書いたそう。
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