インビジブル(フィリピン・日本) – アジアフォーカス福岡国際映画祭2015 –
- 2015.10.07
- Last Update: 2015.10.14
- Movie 福岡国際映画祭2015
- アジア映画
「インビジブル / Invisible」
邦題 | インビジブル |
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英題 | Invisible |
製作国 | フィリピン・日本 |
製作年 | 2015年 |
監督 | ローレンス・ファハルド |
上映時間 | 135分 |
見えないよう、見ないように生きること
日本を舞台にフィリピン人出稼ぎ労働者の苦悩と悲哀を描く。日本人男性と結婚したリンダ、不法滞在労働者のベンジー、ホストのマニュエル、建設作業員のロデルという4人を通して、移民労働や国際化が抱える問題をベースに「生き抜く」という人間の基本的な欲求そのものを静かに熱く表現していく。本映画祭でもおなじみのファハルド監督が福岡市、北海道・旭川市で撮影を敢行。福岡フィルムコミッション支援作品。
「インビジブル / Invisible」
守りたいのは家族
福岡国際映画祭ではお馴染みのローレンス・ファハルド監督の作品。
福岡と旭川を舞台に、90年代末頃の不法滞在フィリピン人たちが息をひそめて生きる姿を淡々と描いている。
守りたいのは家族。
小さなコミュニティの中で、家族のために団結もするし、裏切りもする。
「家族のため」に自分を犠牲にして異国で働く人たちの人生。
フィリピンの人たちは海外からの送金を受け取るのは当たり前で、
海外で働き送金する人たちのことを「ヒーロー」と呼び、良い暮らしをしていると思われているのだそう。
映画の中でも「次は○○○を送ってね」と電話でやり取りをするシーンがある。
でも現実は…大変な思いをしながら家族にお金を送金しているのだ。
日本人男性と結婚し日本で生活するリンダ、
不法滞在労働者のベンジー、
ホストのマヌエル、建設作業員のロデル。
4人の主人公を通して「生きる」ことの意味を
とてもフラットな客観的な視点で、静かに映し出している。
その静けさがクライマックスに近づくにつれ
少しずつ破られていくあたり、やはりファハルド監督。
負の連鎖を描かせたらピカイチだわ…。
「福岡に恋した、いつか福岡で映画を撮りたいと思っていて実現できた」と
言っていたローレンス・ファハルド監督。
日本で、そして福岡で映画を作ってくれてありがとう!
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