コードネームは孫中山(台湾) – 台湾映画祭2015 –

コードネームは孫中山(台湾) – 台湾映画祭2015 –

「コードネームは孫中山 / MEETING DR.SUN」

★★★★★

邦題 コードネームは孫中山
原題 MEETING DR.SUN
製作国 台湾
製作年 2014年
監督 イー・ツーイェン
上映時間 94分

<あらすじ>

自称“台北一の貧乏高校生”たちの爆笑コメディ! 

未納の学級費の取り立てが厳しくなり、困っていたアツォ。同じ悩みを抱える三人の同級生たちと共に、山分けし、学級費を払うため、体育館の倉庫で埃をかぶっている孫文の銅像を盗み出そうとする。変装用のお面や運搬用の台車を用意し、準備は万端。だが、偶然にもシァオティエンという学生が、同じ計画を立てていることに気づき……。

「コードネームは孫中山 / MEETING DR.SUN」

ポスターを見た瞬間から「絶対に観に行こう!」と決めていた作品。
ちょっと調べると「第10回大阪アジアン映画祭」でグランプリ&観客賞を受賞していた。

生まれた時から貧乏だった。
親も 爺さんも 婆さんも貧乏だった。

未納の学級費を支払うために倉庫に眠る孫文の銅像を盗んでお金にすることを思いつくアツォたち。
仲間を募り、作戦を練り、練習を重ね・・・
ところが、同じことを考えてる別の学生の存在が表れる。
どちらが先に孫文を盗むことができるのか!

主人公アツォをはじめ、この物語に登場する少年たちは、その境遇を貧乏自慢しちゃうくらい明るい。
さて、もう一人の主人公シァオティエン。
「子供も孫もずっと貧乏」と言われて「そんなのいいはずがない」と言う。
アツォはシァオティエンに力を貸そうと、一緒に盗もう!と持ちかけるのだけど、シァオティエンは一人で孫文を盗み出そうとする。
頑なに心を閉ざし、もがき苦しんでいる姿が痛々しい。

一番安いリボンの大きな女の子のお面をかぶって孫文を盗む計画。
はたして うまくいくのか…。

盗み出すシーンは本当にマヌケで面白くて爆笑なんだけど、最後の方はそうでもなく、ちょっぴり切ない。
「貧乏」は子供にとって選択の余地のない状況だけど、
アツォとシァオティエン、正反対の二人、とても良いコンビになりそうな予感。

そういえば、台湾映画の必須アイテム(?)可愛い女の子は一切登場しない。
男子だけで集まって馬鹿なことをやってるのが一番楽しい年頃。
この少年時代の一瞬の輝きをスクリーンに閉じ込めた青春上質コメディ作品。
とは言っても、格差社会や貧困という社会的な問題を背景に、ただのコメディで終わらせていないところがこの作品の魅力でもあると思う。

男子って!
可愛すぎる、友情ステキすぎる、青春っていいな~!
DVDが出たら買おう。