スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース@博多座
- 2016.05.03
- Exhibit
4月18日(月)「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」に行ってきました。
世界的な人気漫画「ONE PIECE」と日本固有の伝統芸能である歌舞伎のコラボレーション!!
スーパー歌舞伎がすごく久しぶりだったのと
リニューアルしたばかりの博多座ということで、大興奮の舞台でした。
「ONE PIECE」キャラクターのぼりが出迎えてくれる、博多座の入口からもうテンション上がります。
博多座に入った後も、階段部分にのぼりが立てられていて、麦わらの一味の歌舞伎衣装に萌えながら席へ向かうことが可能となっております。
4月14日(木)に熊本地震が発生し、福岡もけっこう揺れたんですねー。
この公演を続けるかどうか随分悩まれたそうなのですが、こういうときだからこそ、と市川猿之助さん直筆のメッセージが飾ってありました。
「TETOTE」は、ワンピース歌舞伎のために作られたテーマソングなんですが
作ったのは<ゆず>の北川悠仁さんです。
今回のスーパー歌舞伎にぴったりの雰囲気と歌詞で盛り上がりました。
パンフレットは1,800円。
キレイな写真がたくさんで読み応えがあるのでオススメです。
今回演じられるストーリーは「頂上戦争編(コミックス51~60巻)」なのですが、パンフレットにはワンピースのあらすじも書いてあるので、話を知らない人でも大丈夫です。
公演前の舞台ではルフィがお出迎えしてくれています。
2階席なので遠いけど、テンション上がるー!
上演時間はこんな感じです。
歌舞伎役者さん、なかなかハードですね…。
<夜の部:4月18日(月)は夜公演のみ> | |
第1幕 | 16:30-17:35 |
休憩 | 30分間 |
第2幕 | 18:05-19:15 |
休憩 | 25分間 |
第3幕 | 19:40-21:10 |
第1幕
1幕目は、シャボンティ諸島の奴隷市場のシーンから。
ルフィが天竜人を殴ったことで、麦わらの一味は海軍バーソロミュー・くまに世界各地にバラバラに吹き飛ばされます。
ルフィは女だけの島へ飛ばされ、そこで兄エースが捕らわれたことを知り助けに行く、というところまで。
1幕目から泣きましたよ・・・。
麦わらの一味の名乗りのシーンは
ナミ(市川春猿)の言い回しがすごくて「お、おぉ..ぅ」ってなりました。
セリフは現代なんですが、言い回しが歌舞伎風っていうか(笑)すごく良かったです。
ぬいぐるみチョッパーが突然人型になって笑ってしまったのですが
こういう笑いを取り入れているところも新しいですよね。
麦わらの一味、それぞれの立ち合いもあって、身震いしました。
すごくカッコよかった。
市川猿之助は、ルフィ、ハンコック、赤髪シャンクスの3役をやっているんです。
1幕目では、ルフィーとハンコックが入れ替わり立ち代わりするシーンがあり、そこは早着替えになってまして、なるほど、こういうところに歌舞伎を取り入れてるんだなぁと感心したりしました。
ハンコックのときは、見下しすぎて見上げてるポーズも漏れなくキメてくれた猿之助、さすがです。
ルフィの手が伸びるゴムゴムの演出がもう萌えですよ。
6人の黒子の腕を使った超アナログなんです。
テレビで紹介されているのを見てたときは、ちょっとショボかわいい感じ?とか思ってたんですけど、実際見ていると、なかなかの迫力で感動です。
1幕目休憩
1幕目あとの休憩は30分間あるので、お弁当で腹ごしらえですね。
買うのはもちろん「麦わらの一味 海賊弁当」でしょう!
ワンピースと言えば「肉!肉!肉!」ですよねー。
肉はあんまり入ってなかった…
けど、のりで表現されている麦わらの一味海賊旗が素敵です。
第2幕
2幕目は、インペルダウンの牢獄シーンから、ニューカマーランド、船着場まで。
2幕目の熱量すごかったですねー。
ものすごく盛り上がりました。
ボン・クレー、最高でした。
「麦ちゃん!」www
見た目だけじゃない!
声も演技も完璧に「ボン・クレー」そのもの。
ここ、飛び六法でした(たぶん)。
義経千本桜の鳥居前で、狐忠信が足を踏み鳴らしながら花道を引っ込んでいくアレです。
勇ましかったです。
まさか、ボンクレーを演じている人と、ゾロ、スクアードを演じている人が同じ人だとはね…ビックリですよ。
確実に、歌舞伎の歴史にボン・クレーの名を刻みましたね。
ニューカマーランドのイワンコフも怪演でした。ハイレグ似合ってた…。
ニューカマーランドのシーンは衣装自体もカラフルなんですけど、そこの空気自体がすごくカラフルなものになってまして和みました。
ルフィが死にそうな感じになったりするシーンでは、ちゃんと死装束の格好になってたりして細かい設定が素敵でしたね。
それをイワンコフが助けるんですけどね。
2幕目の見どころは、滝での立ち廻りです。
イナズマ(中村隼人)とボン・クレー(坂東巳之助)が滝での立ち廻りをやるんですが、この水の量が10トンとからしくて、ものすごい迫力でした。
装置も5段くらいになってて、上から下に飛び降りたり、とにかく滝行かというくらいの水の量に驚き、これがスーパー歌舞伎なんだとうなりました。
実際、1階の5列目くらいまで方にはレインコートが支給されていました。
2幕目最後の見どころは、ジンベエに引っ張られて向かう、斜め宙乗り。
サーフボードを履いてあの体勢で、1階から3階まで宙乗りしていくんですね。
猿之助さんの身体能力すごいです!
この宙乗りのときにテーマソング「TETOTE」が流れます。
私、2階席だったんですけど、猿之助さんが「立て立てー!」みたいな感じであおってくるので、立ち上がってピョンピョン飛びました。
歌舞伎なのに、コンサート会場でライブを聞いてるような感じで、ルフィにめっちゃ手を振りましたよ。
あれ、絶対目が合いましたね(と思ってるのは自分だけ)。
2幕目休憩
2幕目後の休憩は25分。
4月14日(木)の熊本地震をうけて、キャストの皆様が募金活動をされました。
原作の尾田栄一郎は熊本出身なんですね。
16日の市川猿之助の口上はこちらから
ルフィ(市川猿之助)、イナズマ(中村隼人)、 クロコダイル(市川猿三郎)、ナミ(市川春猿)、他にもたくさんのキャストが客席を回って募金を呼び掛けていらっしゃいました。
公演でお疲れの中、自分の知名度を生かして、誰かの為に自分の時間(この場合、キャストの休憩時間)を削って先頭に立って募金活動をする姿には純粋に感動しました。
3幕が始まる数分前まで、一人一人に丁寧に応え、握手まで。
不謹慎かもしれないけど、歌舞伎役者をこんなに間近で見ることが出来るなんて、なおかつ募金も出来るなんて、募金する側としても嬉しいものです。
クロコダイル(市川猿三郎)が「こういうときだからこそ、手と手を合わせて頑張りましょう!」と言いながら、左手のフックを差し出してきて、そのフックがボヨンとしてたのには笑ってしまったんですけど、なんだかとっても素敵でしたね。
それから、ニューカマーランドのニューカマーチーコ役、市川猿紫さん。
「ちゃぁんと熊本まで届けるわよぉ~!任せといてぇ~!」って、独特のオカマテンションが見事すぎて…。
客席だけじゃなく、売店エリア、休憩エリア、カフェにまで入っていって募金活動されてまして、写真にも快く応じてくれて、まじファンになったとですよー。
猿紫さん本当に輝いてました!
女子力高けー!
ありがとうございますー!
千秋楽で発表で、11日間(17公演)で集まった義援金の総額が22,870,539円となったとのこと!
10日余りで2000万円!?
スーパー歌舞伎のスケールの大きさと相まって、募金の規模も超ド級じゃないです?
キャストの皆様のお気持ちは、会場に来られなかった方、そして被災地にきっと届いたことでしょう。
第3幕
3幕目は、海軍本部マリンフォード広場から。
海軍vs海賊 の頂上戦争。
ここはほとんど戦闘シーン。
何と言っても、白ひげ(市川右近)の存在感です。
聞き取りやすいし、立ち廻りは歌舞伎そのもので、対決シーンはまさに弁慶。
素晴らしいの一言に尽きます。
赤髪シャンクス(市川猿之助)が出てくるんだけど、ワンピースって登場人物が多すぎて、混乱しました!
ちょっとこのモブキャラ誰やったっけ・・・みたいな。
シャンクスは全然モブキャラじゃないけど、とにかく認識するまでえらい時間かかったー。
だって最後しか出てこないし。ポッと出の新人みたいな…(笑)。
最後は、すごい再現率のサニー号に乗った麦わらの一味が、また新たな出発をするという演出で締められました。
感想
- ルフィはもちろん、ルフィ以外のキャラクターがすごく生きていた
- 歌舞伎は古典芸能ではなく、進化し続ける大衆娯楽、エンターテインメントでありアトラクションなんだ
- アナログとデジタルの融合。プロジェクションマッピングすごい。
- 衣裳の素晴らしさ。フランキーの腕はクッションみたいだったけど、発想力すごい
- 本水、本火、ワイヤーアクション、人間の身体能力の素晴らしさを再確認できる
- ニューカマーランドの完璧な造形とおかま独特のテンションの高さは、やはり男だけで演じる歌舞伎ならではの面白さ。昭和の大スターイヤミもシェー!を連発するほどの奇跡が起こった。
- どえらい仕掛けを次々とライブでやってのける歌舞伎のカラフルさに魅了される
- ワンピースの熱は歌舞伎の熱と重なる
- 「自由」「仲間」というワンピースのキーワードが、澤瀉屋一門にそのまま当てはまる。
- 歌舞伎の懐は深い。新しいものを取り入れて進化していく、これこそが歌舞伎。
漫画で慣れていたワンピースの世界が、歌舞伎と合わさることで見事に新しいものになってるんです。漫画を歌舞伎にするということには賛否両論あったでしょうけど、これ相当頑張ったと思います!
楽しまなければ損でしょう。
舞台が終わってからエンドロールが流れるんですけども、引幕にプロジェクションマッピングが出るようになってます。
博多座リニューアルの真骨頂ですね。
観覧の土産
アイマスクは福岡限定で、裏側が「にわかせんぺい」になっとります。
缶バッチは2つ買って、これランダムなんですけど「レア」が出て、テンション上がりました。
10月22日から、シネマ歌舞伎で上映されるそうですし、再演も決定したそうです。
また観に行こうかな!
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