生きる(韓国) – アジアフォーカス福岡国際映画祭2015 –

「生きる / Alive」

★★★★☆

邦題 生きる
英題 Alive
製作国 韓国
製作年 2014年
監督 パク・ジョンボム
上映時間 175分

<あらすじ-公式サイトより->

それでも、もがきもがいて生きていく

建設現場で働くジョンチョルの人生は何ひとつうまくいかない。賃金を横領し逃げたチーム長の代わりに賃金を催促する同僚たち、両親を亡くしその後遺症で精神を病んだ姉、姉の代わりに世話しなければならない姪。建設現場での職を失った彼は、冬を越すために江原道の味噌工場で働き始めるが…。そこにも厳しい現実が待ち受けていた。生きるためにもがく姿を淡々と、そして力強く描いた作品。監督自身主役を演じる。

「生きる / Alive」

「あるところには”ある”」極限の不幸。
生まれながらに格差があり、資本主義の渦に巻き込まれる。

生きることができない。
死ぬこともできない。

細々と愚直に生きていく人たちに、畳みかけるように降りかかる不幸。
不幸の連鎖が止まらない。
何一つうまくいかない。
それでも生きていかなければいけない辛さ。

ジョンチョルは、これ以上失うものが無いというところまで落ちたときに気付く。
お金を横領して逃げたチーム長の家の玄関ドアを外したが、外すことでは幸せになれないことに。
厄介だと思っていた姉に「出ていけ」と追い出したが、追い出すことで幸せになれないことに。

姉がいつか家に帰れるように、街灯を付ける。
チーム長がいつか家に帰れるように、玄関のドアを付けに行く。
最後に、人間らしく「生きる」姿を見せるジョンチョルに涙。

姉の娘「ハナ」は、ひとつの希望(ハングルでハナはひとつという意味)となる存在であり、ジョンチョルの、そして将来の希望の光なのかもしれない。

脚本・主演ともパク・ジョンボム監督が務めている。
今回は自分が演じることを想定して脚本を書いたそう。

未熟なざくろ(イラン) – アジアフォーカス福岡国際映画祭2015 –

「未熟なざくろ / Unripe Pomegranates」

★★★★★

邦題 未熟なざくろ
英題 Unripe Pomegranates
製作国 イラン
製作年 2014年
監督 マジドレザ・モスタファウィ
上映時間 80分

<あらすじ-公式サイトより->

小さな幸せに陰を落とす残酷な現実

エンシとザビはテヘラン郊外に住む夫婦で、将来性のない仕事に就ついている。妻のエンシはアルツハイマーに苦しむ老女の世話を、夫のザビは高層ビル建設の溶接工として働いていた。若い夫婦はそんな安定しない暮らしにも関わらず、子どもも生まれてくる予定で幸せな日々を送っていた。しかし現実の運命は残酷で、彼らの思い通りにいかない…。監督デビュー作となる本作はモスクワやサンパウロの映画祭で好評を博した。

「未熟なざくろ / Unripe Pomegranates」

8年連れ添って子供を授からない事に悩みながらも、慎ましやかに、お互いを尊重しあいながら暮らす若い夫婦。
仕事が終わるとバス停で待ち合わせて一緒に帰る。
決して豊かではないけれど、幸せな日々。

そんなある日、工事現場での事故で昏睡状態になってしまう夫。
そして、エンシが世話をしている老女もついに施設に送られることになってしまう。

突然訪れる不幸に絶望するエンシだったが、
現実を受け入れ、かすかな希望を見出し、自立していく。

最後の線路を歩くシーンは、
運命の過酷さに立ち向かい、生きることの尊厳、優しさ、バイタリティーを感じた。

ヒロインのエンシの声がとても素敵だし、映像が素晴らしく、魅了される。
ダウン症の子にもらう白い羽、世話をしている老女からもらう赤ちゃんの靴下など、細かな描写もステキ。
やはり、イラン映画にハズレなし。


主演女優のアンナ・ネーマティさん、マジドレザ・モスタファウィ監督。
アンナさん、すごくすごく美しい!
キャリア20年で、この映画は自分にとってもすごく印象に残る映画になったとのこと。

山嶺の女王クルマンジャン(キルギス) – アジアフォーカス福岡国際映画祭2015 –

「山嶺の女王クルマンジャン / Kurmanjan Datka Queen of the Mountains」

★★★★★

邦題 山嶺の女王クルマンジャン
英題 Kurmanjan Datka Queen of the Mountains
製作国 キルギス
製作年 2014年
監督 サディック・シェル・ニヤーズ
上映時間 136分

<あらすじ-公式サイトより->

美しく繰り広げられる一大歴史叙事詩

19世紀、中央アジアにおいてキルギス人の誇りを貫いた高地民族の女王クルマンジャン・ダトカの生涯を壮大なシルクロードの大自然を舞台に描いた歴史ドラマ。19世紀初頭、クルマンジャンは裕福な家族に生まれた。18才になったクルマンジャンは家族の都合で見知らぬ男性と結婚するはめになるが、なんと彼女は初夜に逃げ戻ってくるのだった。やがて、キルギス統一をめざす青年アルムベクに見初められ妻となるが…。

「山嶺の女王クルマンジャン / Kurmanjan Datka Queen of the Mountains」

初めてのキルギス映画!
キルギスの二大英雄の一人、クルマンジャン・ダトカの一生を理解できる史実に基づいた映画。

キルギスにこんな歴史があったのか。
キルギスの部族間の争い、ロシア帝国による併合、クルマンジャンの波乱万丈の人生がキルギスの歴史そのもの。

夫のアルムベクは志なかばで殺されてしまうのだが、公正で威厳あるクルマンジャンは、リーダーシップを見初められ、ダトカの後継者に任命される。
彼女の尽力によりキルギスの40族は団結し、一度は敵を追い払ったものの、大砲まで持っているロシア兵に、このまま闘い続けることは無益であと悟るクルマンジャン。
ロシアの宗主権を認める書類に調印する。

その後、部族民とロシア兵との間で突発的な衝突などはあるものの、ある程度の落ち着きを取り戻した矢先、息子が銃器の密輸で逮捕されたという知らせが。
息子は集まった味方たちとロシア兵に攻撃を仕掛けることを計画していたのだが、そこへクルマンジャンが馬に乗ってやってくる。
静かに首を横に振るクルマンジャン。
ここで反乱してはキルギスの部族が窮地に立たされてしまう、という母の想いを理解した息子は自ら死刑になるのだった。

クルマンジャンは、ロシア帝国併合後も女帝として丁重に扱われ、キルギス独立を見届けることは出来なかったが、96歳まで生きた。
キルギスで見かけるモニュメントは、大体マナス王かクルマンジャン・ダトカのどちらかだそうで、クルマンジャンは紙幣にもなっている。

風景も衣装も美しく、俳優さんすべてが魅力的。
中央アジアのダイナミックで情緒ある景色。
2時間超の大作だけど見飽きない。

クルマンジャンが無私の心で守った小国の尊厳、勇気が、大国に翻弄された他の小国(フィンランド)にも受け継がれたという最後のシーンは秀逸だった。


左からアソシエート・プロデューサー/出演:イディリソワ・チョルポンさん、主演女優のエリナ・アバイ・キズィさん。
お二人とも眩しいくらいキレイ。

クルドサック(インドネシア) – アジアフォーカス福岡国際映画祭2015 –

「クルドサック / Kuldesak」

★★★★☆

邦題 クルドサック
英題 Kuldesak
製作国 インドネシア
製作年 1998年
監督 リリ・リザ、ミラ・レスマナ、ナン T.・アハナス、リザル・マントファニ
上映時間 110分

<あらすじ-公式サイトより->

俺たちの明日は?行き止まりの青春群像

今やインドネシア映画界の中心的存在であるプロデューサーのミラ・レスマナ、監督のリリ・リザが若き日に、女性監督ナン・アクナス、リザル・マントファニらとともに製作したインドネシア・ニューシネマの草分となった作品。また彼らの職業映画人としての出発点でもある。都会の片隅で夢を持ち生きる若者たちを、4人がそれぞれに短編映画として撮り、1本の作品に再構成した。各自の個性とみずみずしい感性に溢れた作品。

「クルドサック / Kuldesak」(予告編なし)

4人の主人公をめぐる4つの物語を4人の監督が別々に撮った作品を1本にまとめた映画。
オムニバス映画ではないところがミソ。

映画を撮りたいアクサン、(ミラ・レスマナ監督)
カート・コバーンに心酔するアンドレ、(リリ・リザ監督)
テレビの人気者に恋するディナ、(ナン・T・アナハス監督)
キャリアウーマンのリナ。(リザル・マンファトニ監督)

一見それぞれで話が進んでいるようなのに、
最後には同じところにたどり着くような、なんというかメビウスの輪のような感じ。

4人の監督のスタイルが違うので、
どの監督がどの作品を撮ったのか予想しながら見ると更に面白いし、
どの国でも、どの世代でも、若者が夢中になるものは一緒なんだぁ~と感慨深いものがあった。
パルプフィクション、カート・コバーン、ドアーズ、そしてテレビの人気者に恋したもんだったよね。

スハルト政権下で撮った作品で、スハルトが失脚後公開になった、
インドネシア映画の新しい時代の始まりを告げる伝説的作品だそう。
ダニー・ボイル監督(トレインスポッティング等)や、
ジム・ジャームッシュ監督(ストレンジャー・ザン・パラダイス等)が好きだったら、ぜひ。


左から、梁木ディレクター、リリ・リザ監督、ナン・T・アナハス監督、ミラ・レスマナ監督。
ミラ・レスマナ監督は、現在はプロデューサーとして活躍。
リリ・リザ監督とよくタッグを組んでいる。

黄金杖秘聞(インドネシア) – アジアフォーカス福岡国際映画祭2015 –

「黄金杖秘聞(おうごんじょうひぶん) / The Golden Cane Warrior」

★★★★☆

邦題 黄金杖秘聞(おうごんじょうひぶん)
英題 The Golden Cane Warrior
製作国 インドネシア
製作年 2014年
監督 イファ・イスファンシャ
上映時間 110分

<あらすじ-公式サイトより->

野望、陰謀、そして復讐。最強は誰だ!

インドネシア映画界を代表する監督リリ・リザとプロデュサーのミラ・レスマナが製作。
『聖なる踊り子』のイファ・イスファンシャ監督がオールスターキャストで放つアクション大作。
武術者の権威である黄金の杖をめぐって、格闘技アクションが炸裂。
武術の師匠は若い4人の弟子の中から、奥義を伝える後継者に一人の少女を選んだ。
しかし、それを不満とした二人の弟子たちとった行動は…。野望のため陰謀がうずめいていく。

「黄金杖秘聞(おうごんじょうひぶん) / The Golden Cane Warrior」

オープニング上映「黄金杖秘聞(おうごんじょうひぶん)」を観てきた。
リリ・リザ監督、主演のニコラス・サプトラさん、イケメン!

インドネシアの子供たちが熱中したコミックの神話的記憶の再現で、インドネシア映画界空前のスケールのアクション大作!
ワイヤーアクション、棒アクション(?)の連続に目が離せない。

主人公のダラは、秘技を習得し成長していくにつれて
もともと凛々しい顔立ちがどんどん引き締まっていく。
ダラと一緒に闘うことになる若者エランは、さすがの強さ、そしてイケメンである!!!

黄金杖を使った秘技はペアでなければ威力を発揮しない。
この二人が力を合わせて、あしたのジョー的な必殺技クロスカウンターを食らわす、
という王道の勧善懲悪ストーリー。
力を抜いて楽しめる作品になっているし、オープニングにはピッタリの映画。

インドネシア南部なのだろうか、
空の色、乾いた土地、みずみずしい森、すべての自然が美しいし、映像がキレイ。

そして実はマルコメ アンギン君が一番強かったんじゃないかと思っている午前2時。

アジアフォーカス・福岡国際映画祭2015

今年で25回を迎えるアジアフォーカス・福岡国際映画祭
今年も昨年と同じく、メイン会場は「ユナイテッド・シネマキャナルシティ13」。

会期は2015年9月18日(金)がオープニング、
9月25日(金)までの8日間の開催です。
今年はシルバーウィーク5連休と重なっているから、思う存分、映画三昧が出来そう!

公式招待作品は15作品。
その他にも、インドネシア特集上映台湾映画特集もあります。
詳細は公式サイトよりご確認を!

チケットは、前売り券がお得!

  前売券 当日券
1作品券 1,100円 1,300円
1作品学割券
(中高大生・留学生)
500円
5作品券 4,400円 5,500円
フリーパス 11,000円 13,000円

今年はフリーパスをゲットだぜ!
福岡国際映画祭の作品は、アジアの「今」を感じることが出来るし、
何より「市民で作る映画祭」というところがステキなんですよ。
5連休で全部制覇できますように~。

おはなまつり@プーラ

エナジー帽子店 (Energy Hat Shop) × oshow
2015.9.11-2015.9.14 / 12:00-19:00
平尾 POOHLA<福岡市平尾3-17-12-303号室>

秋だよ、全員集合!
頭に花を咲かせましょう(*^^*)

エナジー帽子店 とイラストレーターoshowさんのコラボ作品がたくさん並んだ平尾 POOHLAへ~。
ゆったりとした空間に、キョーコさんとoshowさんの手にかかった素敵なお花たちがずらり。


柳家喬太郎 独演会 @ イムズホール

2015年8月21日(金)行ってきました、柳家喬太郎 独演会!!
さすが、喬太郎師匠、人気者。
完売御礼、イムズホールは満席。

さて、本日の演目。

演目
浮世床 柳家小んぶ
稲葉さんの大冒険 柳家喬太郎
牡丹灯篭 ~お札はがし~ 柳家喬太郎

まずは前座の「柳家小んぶ」さん。
喬太郎さんのおとうと弟子で、二つ目だそう。

かけてくれたのは「浮世床」。
文字をようやく読めるようになった「げんちゃん」が
偉そうにしながら「太閤記」の姉川の合戦のくだりを読んで聴かせるお話。
手こずりながら読むげんちゃん、つっかえまくって一向に話が分からない。

一文字一文字手こずりながら読む場面が見せ場で、
これでもか!というくらい、あの手この手でつっかえてくれる小んぶさん(笑)。
滑舌も良く、歯切れも良く、大柄なのもあって堂々とした風格~!
今後が楽しみな落語家さんだ。

さて、前座が終わると
大きな拍手に迎えらえていよいよ喬太郎師匠の登場!!!

マクラからもう大爆笑喬太郎師匠大暴走(笑)
笑いすぎて頬の筋肉がひきつる~。

さて、喬太郎師匠の演目は「稲葉さんの大冒険」と「牡丹灯籠~お札はがし~」、創作落語と古典落語の二本立て。
内容は書きませんが、とにかく喬太郎師匠の表現力ハンパない
創作落語と古典落語のメリハリもすごい

「稲葉さんの大冒険」の ”ずるっ…ずるっ…” から
「牡丹灯籠~お札はがし~」怪談と続けるところもニクイ

スタッフの方に、ファンレター(?)と筑紫もちを渡してもらった。
ちゃんと届いてるかは分からないけど、喬太郎師匠のイラスト投下。

似てなくて…申し訳ございませぇぇぇん!!!

そういえば、いつものロマンスグレーの髪の毛が、ダルメシアンになっていた。
まさかのダルメシアンw
名前はポチ???いやベス? 最後はネコ??笑

この髪の色は映画出演で役作りとのこと。
いつ公開されるか分からないとのことだけど、きっと演技もお手の物でしょう。

9月6日に落語協会主催のファン感謝デー「謝楽祭」が
湯島天神であるそうで、やけに宣伝していた(笑)

それもそのはず、喬太郎さんが実行責任者だそうで、
落語家さんが出揃って屋台をやったりするんだって!
東京日帰り、行けないことはないかも!?

最後に、大好きな喬太郎師匠の「時そば」じゃなくて「コロッケそば」。
「嘘ぉ~!そばぁ~???」www

<a href=”http://www.nicovideo.jp/watch/sm6899470″>【ニコニコ動画】落語 「時そば」 柳家喬太郎 ☆ 副題「コロッケそば」</a>

とにかく、キョンキョンのライブ(独演会)のチケット取れて良かった
あなたに会えて良かったね きっと 私。

マッドマックス 怒りのデス・ロード/Mad Max: Fury Road

「マッドマックス 怒りのデス・ロード/Mad Max: Fury Road」

★★★★★

邦題 マッドマックス 怒りのデス・ロード
原題 Mad Max: Fury Road
製作国 オーストラリア
製作年 2015年
監督 ジョージ・ミラー
出演 トム・ハーディ/シャーリーズ・セロン/ニコラス・ホルト/ヒュー・キース=バーン
上映時間 120分
公式サイト http://wwws.warnerbros.co.jp/madmaxfuryroad/

<あらすじ>

本物のノンストップ・アクション映画!

資源が底を突き荒廃した世界、愛する者も生きる望みも失い荒野をさまようマックス(トム・ハーディ)は、砂漠を牛耳る敵であるイモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)の一団に捕らわれ、深い傷を負ってしまう。
そんな彼の前に、ジョーの配下の女戦士フュリオサ(シャーリーズ・セロン)、全身白塗りの謎の男、そしてジョーと敵対関係にあるグループが出現。
マックスは彼らと手を組み、強大なジョーの勢力に戦いを挑む。

「マッドマックス 怒りのデス・ロード/Mad Max: Fury Road

主役のマックス役はメル・ギブソンからトム・ハーディへと交代して、監督は前3作に引き続きジョージ・ミラー、続編でもリブートでもない「マッド・マックス」!
「ハッピー・フィート」や「ベイブ」といった可愛らしい作品を撮った監督だよ、と言っても信じられないほどの狂気の地獄絵(笑)

「マッド・マックス」と言えば、マックスの相棒の犬と缶詰だが、残念ながら一切出ない。
続編じゃないしね…ただどうしても観たいって人はここから!

上映時間の98%がアクションという、今年一番ぶっ飛んでる映画なのではないだろうか!
2Dで観たにもかかわらず、とにかく息つく暇がないので観終わった後はぐったり。
3DIMAXで観たらどうなっていたことか。。。とは思ったが、映像はとにかく素晴らしいので3DIMAXで観るべきだった。

マックスがフュリオサと共に行って帰ってくるという内容(ざっくりしすぎ!)なんだけど、とにかくそういうことはどうでも良くて、とにかく観るべし。
上映日が8月21日まで延長されていたので、もう一度観たいなぁ~と思ってるくらいの面白さ!

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国際市場で逢いましょう/Ode to My Father

「国際市場で逢いましょう / 국제시장」

★★★★☆

邦題 国際市場で逢いましょう
原題 국제시장(国際市場)
英題 Ode to My Father
製作国 韓国
製作年 2014年
監督 ユン・ジェギュン
上映時間 127分
公式サイト http://kokusaiichiba.jp/

<あらすじ>

頑固ジジイの生涯はかくも壮絶だったのだ!

朝鮮戦争中、父親と末の妹と生き別れたドクス(ファン・ジョンミン)は、母親と2人のきょうだいと一緒に避難民として釜山で暮らすことに。
まだ幼いながらも家長として家族を守ることを心に誓った彼は、自分のことは後回しにしていつも必死に働いてきた。
その後、西ドイツの炭鉱で働き、ベトナム戦争に従軍するなど、ドクスは何度も命の危険にさらされる。

「国際市場で逢いましょう/Ode to My Father」

こんな家族が、こんなお父さんがいたんだろう。
私の両親世代より少し上の世代に。

ドクスの優先順位は常に「家族のため」。
家長としての重責を負いながら、家族のためだけに身を粉にして働き続けたドクス。

ドクスと親友との友情や、ドクスとヨンジャの恋はユーモアたっぷり。
愚直で不器用なアニキ、ドクスという、その辺に居そうな一人の男の人生を描いた作品で、全体的にコミカルに描かれていて、重い感じがしない。

まさに怒濤のドクスの人生と共に、韓国は徐々に豊かになり、現代グループの創始者・鄭周永とか、世界的デザイナーとなるアンドレ・キムとか、歌手のナム・ジンなど有名人がちょこちょこ顔を出す。
そして「国際市場」というタイトルの意味が明かされてからのエピソードは、涙なしには観られない。

自分ではどうすることもできない状況を受け入れ「こんな悲しみや困難を経験するのが子どもたちではなく、自分たちでよかった」と言い聞かせて生きてきたドクス。
最後の最後でようやく「つらかった」と告白し泣き崩れ、お父さんの唯一の形見を抱きしめるシーンは、自分の人生を抱きしめた瞬間だったのかもしれない。

人にはそれぞれの生き方があって、何が正しいのかは誰も決められない。
「自分らしく生きる」とは、どういうことなのか。
その問いかけすら出来なかった人生だった人もいたかもしれない。
ただ、ドクスの兄貴、あなたの生き方は素敵でした。

今の豊かな暮らしは、それほど遠い昔でない先人たちの困難や苦労があったからこそだと実感する。
だから、今の私たちは無邪気に「自分らしく」と語れるんだろう。

史実のスポットの当て方には意見があると思うけど、物語を貫いているのはあくまでも庶民目線で見た歴史のリアリティ。
韓国人の激情はこういう風に使うべき。

釜山が舞台なので、国際市場の風景は「あぁ、あそこだ!」と分かって楽しい。
東方神起ユノさんが、若い頃のナム・ジンを演じているということでも話題だった本作。
出演時間はほんの一瞬だ(と思えた)けど、ユノさんカッコよかったですよ。

Petteri Sariola @ ROOMS

2015年5月14日(木)
Petteri Sariola(ペッテリ・サリオラ) @ ROOMS

フィンランド出身のギタリスト、ペッテリ・サリオラ
「フィンランド」と聞いて、私が行かないわけないじゃなぁぁい。

それに「圧倒的な超絶テクニックと驚くべき音楽的感性を兼ね備えた天才ギタリスト」というコピー。
押尾コータロー氏をして“圧巻のアコギ”と言わしめ、CHARにもその実力を認められたギタリストとしてのテクニック、センスはズバ抜けており…とか書いてあるし。

というわけで行ってまいりました、ペッテリ・サリオラ
スラム奏法(ヘッジスの奏法にベースを加えた独自のユニークな奏法)を開発したというから、Newton Faulkner や Erik Mongrain の奏法とはちょっと違うのだろうけど、このフィンランド出身のペッテリさんはどんな演奏をしてくれるのかドキドキワクワクだった。

「僕が住んでいるフィンランドは寒い。ウォーミングアップするよ~。」と言いながら1曲目。
ウォーミングアップと言いながら、あぁもうこれはスゴイなって分かる演奏。
ギターの音量に歌声が埋もれないように歌っていて、とてもバランスが良かったし、ギターを弾きながら客席に降りてきて、ペッテリさんの華麗な指先を間近で見られたのも素晴らしかった。

ペッテリさん演奏時、すごい力強くてカッコいいのに、トークに入るとすごい可愛いからギャップ萌え…。
単に上手いだけじゃなくてパフォーマーとしても最高だと思った。

フィンランドではジブリ人気がすごいとのこと(友達のフィンランド人もジブリ大好き)で、例にもれずペッテリさんも「もののけ姫」を演奏。
ペッテリさんが立つ後ろが森みたいな感じのグリーンの照明になって、坊主のペッテリさんがこだまに見えてしまう不思議…。
ペッテリこだま!?

帰りにはサイン会もあって、たどたどしいスオミ語で話してみた。
ペッテリさんの笑顔にもうメロメロメロリン。
まさかのシマシマお揃いw ギターもトークも超絶素敵な夜。

MCの中で、合間に日本語で「はい」とか「福岡、超サイコー」と言ったりしてたけど、
ペッテリが超サイコーだったよー。

Kiitos parjon Petteri 😉
Hyvää matka! Nähdään!!!

Newton Faulkner も ROOMSでライブしたよなぁ~って思ってて、この二人どこかで会ってるんじゃないの?と思ってYoutube観てたら、とっくに会ってたみたい。

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人生生放送!好きなことを好きな時に書いてます。