山猪(いのしし)温泉(台湾) – アジアフォーカス福岡国際映画祭2014 –
- 2014.09.25
- Last Update: 2015.01.15
- Movie 福岡国際映画祭2014
- アジア映画
「山猪(いのしし)温泉 / The Boar King」
邦題 | 山猪(いのしし)温泉 |
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英題 | The Boar King |
製作国 | 台湾 |
製作年 | 2014年 |
監督 | クオ・チェンティ |
上映時間 | 102分 |
山奥の温泉で繰り広げられる優しき人間ドラマ
奥深い山間の山猪(いのしし)温泉。ここで小さなホテルを営む夫婦がいた。強力な台風が襲い、一帯は壊滅状態となった。夫は台風の日に出かけて以来、行方知れず。ホテルも甚大な被害を受け、残された妻は途方に暮れる。そんな時、夫が知人宛に送ったパーティの招待状が届いた…その真意は?絶望的な環境の中、未来へと期待をつなぐ人々を温かいまなざしで描く。
「山猪(いのしし)温泉 / The Boar King」
この映画も実話に基づいたフィクションだ。
台風によって一夜にして破壊された故郷を離れるか、残って再建をするか。
この物語の主人公たちは「残る」ことを選んだ人たちの物語。
ビデオ撮影が趣味のロンは、台風の日のもビデオをまわし、その日以来行方不明になってしまう。
台風後の山猪温泉には、宅地開発をする業者が来て、残っている土地を買収している。
メイチュエは途方に暮れるが、ロンが生前に発送した知人宛てのパーティーの招待状と引き出物が届いたことが分かり、ロンが残したビデオを見ながら、夫がなぜそんなことをしたのかを考える。
「山猪温泉」は夫の夢だった。
それは、メイチュエの夢にもなるのだろうか。
残された人たちの選択は・・・。
多くを語らないメイチュエだが、夫に対する気持ち、山猪温泉への愛着、その芯の強さが伝わってくる。
義理の娘フェンにとっても、家族の絆を思い出させる父親のビデオ。
家族の幸せな時間を映したビデオはカラー、台風後の現在はモノクロで表現されている。
メイチュエとフェンの思いがひとつになったとき、希望の光が全てをカラーにするのだ。
最初の梅の花のシーン。
力強く咲く梅が、再建に向けて頑張っていこうという思いと繋がっていて、ロンからのメッセージのようにも受け取れた。
主演のルー・イーチンさんは「ピノイ・サンデー」にも出ていた女優さん。
ひょうひょうとしていて、芯が強い雰囲気の女優さんだと記憶している。
娘役のウー・イーティンさんは、小さくて可憐ですごく可愛らしい女性だった。
今回、二人とも福岡に来られていたのだけど、残念ながらQAには参加できず。
最終日の上映にて鑑賞。
福岡市図書館のフィルムアーカイブに収蔵されるそうなので、また観る機会がありそう。
もう一度観たくなる映画だった。
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