国際市場で逢いましょう/Ode to My Father
「国際市場で逢いましょう / 국제시장」
邦題 | 国際市場で逢いましょう |
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原題 | 국제시장(国際市場) |
英題 | Ode to My Father |
製作国 | 韓国 |
製作年 | 2014年 |
監督 | ユン・ジェギュン |
上映時間 | 127分 |
公式サイト | http://kokusaiichiba.jp/ |
<あらすじ>
頑固ジジイの生涯はかくも壮絶だったのだ!
朝鮮戦争中、父親と末の妹と生き別れたドクス(ファン・ジョンミン)は、母親と2人のきょうだいと一緒に避難民として釜山で暮らすことに。
まだ幼いながらも家長として家族を守ることを心に誓った彼は、自分のことは後回しにしていつも必死に働いてきた。
その後、西ドイツの炭鉱で働き、ベトナム戦争に従軍するなど、ドクスは何度も命の危険にさらされる。
「国際市場で逢いましょう/Ode to My Father」
こんな家族が、こんなお父さんがいたんだろう。
私の両親世代より少し上の世代に。
ドクスの優先順位は常に「家族のため」。
家長としての重責を負いながら、家族のためだけに身を粉にして働き続けたドクス。
ドクスと親友との友情や、ドクスとヨンジャの恋はユーモアたっぷり。
愚直で不器用なアニキ、ドクスという、その辺に居そうな一人の男の人生を描いた作品で、全体的にコミカルに描かれていて、重い感じがしない。
まさに怒濤のドクスの人生と共に、韓国は徐々に豊かになり、現代グループの創始者・鄭周永とか、世界的デザイナーとなるアンドレ・キムとか、歌手のナム・ジンなど有名人がちょこちょこ顔を出す。
そして「国際市場」というタイトルの意味が明かされてからのエピソードは、涙なしには観られない。
自分ではどうすることもできない状況を受け入れ「こんな悲しみや困難を経験するのが子どもたちではなく、自分たちでよかった」と言い聞かせて生きてきたドクス。
最後の最後でようやく「つらかった」と告白し泣き崩れ、お父さんの唯一の形見を抱きしめるシーンは、自分の人生を抱きしめた瞬間だったのかもしれない。
人にはそれぞれの生き方があって、何が正しいのかは誰も決められない。
「自分らしく生きる」とは、どういうことなのか。
その問いかけすら出来なかった人生だった人もいたかもしれない。
ただ、ドクスの兄貴、あなたの生き方は素敵でした。
今の豊かな暮らしは、それほど遠い昔でない先人たちの困難や苦労があったからこそだと実感する。
だから、今の私たちは無邪気に「自分らしく」と語れるんだろう。
史実のスポットの当て方には意見があると思うけど、物語を貫いているのはあくまでも庶民目線で見た歴史のリアリティ。
韓国人の激情はこういう風に使うべき。
釜山が舞台なので、国際市場の風景は「あぁ、あそこだ!」と分かって楽しい。
東方神起ユノさんが、若い頃のナム・ジンを演じているということでも話題だった本作。
出演時間はほんの一瞬だ(と思えた)けど、ユノさんカッコよかったですよ。
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