クルドサック(インドネシア) – アジアフォーカス福岡国際映画祭2015 –

クルドサック(インドネシア) – アジアフォーカス福岡国際映画祭2015 –

「クルドサック / Kuldesak」

★★★★☆

邦題 クルドサック
英題 Kuldesak
製作国 インドネシア
製作年 1998年
監督 リリ・リザ、ミラ・レスマナ、ナン T.・アハナス、リザル・マントファニ
上映時間 110分

<あらすじ-公式サイトより->

俺たちの明日は?行き止まりの青春群像

今やインドネシア映画界の中心的存在であるプロデューサーのミラ・レスマナ、監督のリリ・リザが若き日に、女性監督ナン・アクナス、リザル・マントファニらとともに製作したインドネシア・ニューシネマの草分となった作品。また彼らの職業映画人としての出発点でもある。都会の片隅で夢を持ち生きる若者たちを、4人がそれぞれに短編映画として撮り、1本の作品に再構成した。各自の個性とみずみずしい感性に溢れた作品。

「クルドサック / Kuldesak」(予告編なし)

4人の主人公をめぐる4つの物語を4人の監督が別々に撮った作品を1本にまとめた映画。
オムニバス映画ではないところがミソ。

映画を撮りたいアクサン、(ミラ・レスマナ監督)
カート・コバーンに心酔するアンドレ、(リリ・リザ監督)
テレビの人気者に恋するディナ、(ナン・T・アナハス監督)
キャリアウーマンのリナ。(リザル・マンファトニ監督)

一見それぞれで話が進んでいるようなのに、
最後には同じところにたどり着くような、なんというかメビウスの輪のような感じ。

4人の監督のスタイルが違うので、
どの監督がどの作品を撮ったのか予想しながら見ると更に面白いし、
どの国でも、どの世代でも、若者が夢中になるものは一緒なんだぁ~と感慨深いものがあった。
パルプフィクション、カート・コバーン、ドアーズ、そしてテレビの人気者に恋したもんだったよね。

スハルト政権下で撮った作品で、スハルトが失脚後公開になった、
インドネシア映画の新しい時代の始まりを告げる伝説的作品だそう。
ダニー・ボイル監督(トレインスポッティング等)や、
ジム・ジャームッシュ監督(ストレンジャー・ザン・パラダイス等)が好きだったら、ぜひ。


左から、梁木ディレクター、リリ・リザ監督、ナン・T・アナハス監督、ミラ・レスマナ監督。
ミラ・レスマナ監督は、現在はプロデューサーとして活躍。
リリ・リザ監督とよくタッグを組んでいる。