クエン 〜さらば、ベルリンの壁よ〜(ベトナム) – アジアフォーカス福岡国際映画祭2016 –

クエン 〜さらば、ベルリンの壁よ〜(ベトナム) – アジアフォーカス福岡国際映画祭2016 –

「クエン 〜さらば、ベルリンの壁よ〜 / Farewell, Berlin Wall」

★★★☆☆

邦題 クエン 〜さらば、ベルリンの壁よ〜
英題 Farewell, Berlin Wall
製作国 シンガポール・マレーシア
製作年 2015年
監督 グエン・ファン・クアン・ビン
上映時間 108分

<あらすじ-公式サイトより->

激動の欧州を生きるひとりの女性

80年代、東側ヨーロッパの深刻な経済危機により、多くのベトナム人労働者や学生は非合法に西ドイツへ向かっていた。道中、若妻のクエンは密入国ブローカーの画策で夫と引き離されてしまう…。時代の流れと男たちに翻弄されるクエンの人生を軸に描く、ベトナムでは珍しく暗く冷たい異色の恋愛ドラマ。

1989年ベルリンの壁崩壊直前のヨーロッパ

経済状況の悪化から、東ドイツから西ドイツへの密入国をすために、闇業者を利用していたクエンと夫。
東欧側から西側に逃げる途中で、ガイドの男がクエンに一目惚れし、手元に置いたことで翻弄されるクエンの人生。
ベトナムの社会派映画なのかなぁ~と思っていたら、政治的背景を盛り込みつつ、筋はメロドラマ、そして予想以上にマフィア映画でした。

クエンの魅力

女性から見てもクエンさん本当に透明感があってお綺麗なんです。
料理も上手そうだし…手元に残したくなるのは分かります!
見た目だけでなく、奥ゆかしい感じ、寡黙に耐える感じ、芯の強い感じ、すべてがパーフェクトですね。
最終的には、身勝手な男たちに翻弄されながらも、自分の生きる道を見つけ、背を向けて歩き出す姿には感動です。

だけどねぇ。
クエンさんに甘えすぎなんだよ、男どもは!って心の声が漏れちゃいましたよ。
※助けてくれるドイツ人男性以外。

俳優さんたちが気になります

個人的にはマフィアの抗争パートがなかなか良かったです。
俳優さんたちも親近感の沸くお顔立ちで。
クエンの夫役の方は今岡誠に似てました~。

「クエン」という原作小説の映画化ということで、ドイツで30年生活した作家グエンさんの作品だそうです。
そして監督のお名前もグエンさんです。

ベトナム人難民たちが置かれた背景や事情は、日本人にはよく分からなくてポカーンなのですが、そこらへんがもう少しわかると良かったのかもしれませんね。