緑の野に黄色い花(ベトナム) – アジアフォーカス福岡国際映画祭2016 –
- 2016.09.26
- Movie 福岡国際映画祭2016
- アジア映画
「緑の野に黄色い花/ Yellow Flowers on the Green Grass」
邦題 | 緑の野に黄色い花 |
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英題 | Yellow Flowers on the Green Grass |
製作国 | ベトナム |
製作年 | 2015年 |
監督 | ヴィクター・ヴー |
上映時間 | 103分 |
少年時代はいつもファンタジック
舞台は1989年、豊かな自然に囲まれたベトナム中南部の小さな農村。12歳の少年ティウは両親と弟トゥンと暮らしていた。弟は何をするにしても尊敬する兄と一緒。ある日、ティウがほのかに想いを寄せる女の子の家が火事になった…。緑と光に溢れた美しい田園風景の中、少年たちの目を通し、心の揺れや人間模様を瑞々しく描く珠玉作。
舞台は1989年のベトナム
貧しく小さな村に暮らす12歳の少年の成長を描く物語。
少年時代の美しい日々、恋の嫉妬と痛み。
無邪気にお兄ちゃんを慕う弟。
恥ずかしくて一緒にいられない少女。
成長期、繊細すぎて周りも自分も傷つけまくるお兄ちゃん。
広大で美しい風景に、登場人物それぞれの葛藤が見える。
お兄ちゃんがちょうど声変り時期の感じで、成長過程なのが分かるし、ただ美しいだけでは終わらない、ほろ苦さが残る作品になっているのは、ヴィクター・ヴー監督の手腕かと。
背中思いっきり叩いたらアカン
嫉妬心に駆られたお兄ちゃんが、弟の背中を棒で思いきり叩くシーンがあるんですが、もう途中から、背骨がピリピリしてどうにかなりそうだったよ…!
「あぁ…これ確実に圧迫骨折したなぁ~」と。
圧迫骨折を経験した身としては、1か月安静や!そしたら治るやで!
って弟くんを応援しました!
途中から座ったり歩いたり、ちょっと足を引きずってたのが気になったけど、最後には走ってたので、神経にも触ってなかったんだ、大丈夫だったんだなぁとホッと胸をなでおろしました。
骨折し動けなくなった弟くんでしたが、捕らわれのお姫様が会いに来てくれた!とだんだん元気を取り戻していくあたり、空想することが子どもにとって心の拠り所にも力にもなる、ということも描いていて良かったなぁと思いました。
捕らわれのお姫様も同様に。
グエン・ニャット・アン原作の映画化
日本では「つぶらな瞳」という邦題で翻訳されているベトナムの作家グエン・ニャット・アンの2010年発表のベストセラー小説なんだそうです。
子供の目線から見た世界をみずみずしく表現しているそうで、機会があれば読んでみてもいいかも。
エンドロール
エンドロールは、切り紙風CGアニメに。
ちょっと動きが早くて目で追えない(疲れてたからかな?)感じだったんですが、すごく素敵でした。
ヴィクター・ヴー監督は越僑(在外ベトナム人)なので、感覚も少し違うかもしれない、と思いました。
2017年オスカー外国語映画賞のベトナムからの推薦作品にもなっているようで、日本公開も待ち遠しいです。
1989年の日本
1989年で12歳の設定なので、お兄ちゃんは私と同世代になるんですが、日本とベトナムではだいぶ様子が違いますね。
1989年(平成元年)は、バブル景気の後半のほうですが、すごく上向きの時代です。
任天堂「ゲームボーイ」発売、ジブリ「魔女の宅急便」が21.5億円の大ヒット、トシちゃんの「教師びんびん物語」を観て、プリプリの「Diamonds」を歌ってた。
吉本ばななの「キッチン」、村上春樹の「ノルウェーの森」はみんな読んだし、流行語は「オバタリアン」「オタク」「24時間タタカエマスカ」「NOと言える日本」などで、ソウル・オリンピックが開催され、手塚治虫が亡くなった年でもありました。
私は当時5年生だったんですけど、普通に小学校に通い、普通に勉強し、普通に遊んでました。
一番思い出すのは「明日来るね」と言って帰った祖母が次の日に交通事故で死ぬというアクシデントがあったこと。その大きな思い出(?)に紐づけされて思い出される記憶はまぁあるかな~、大した思い出じゃないですけど。
皆さんの1989年はどうですか?
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