春の夢(韓国) – アジアフォーカス福岡国際映画祭2017 –
- 2017.09.19
- Movie 福岡国際映画祭2017
- アジア映画
「春の夢 / A Quiet Dream」
邦題 | 春の夢 |
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英題 | A Quiet Dream |
製作国 | 韓国 |
製作年 | 2016年 |
監督 | チャン・リュル |
上映時間 | 101分 |
あらすじ-公式サイトより
マドンナと心やさしきポンコツ男たちが見る夢は…
街をうろつくだけの稼ぎのないチンピラ、イクチュン。北朝鮮出身のチョンボムは給料も貰えずクビになった。金持ちだが少し頼りないジョンビン、そしてこの男たちのマドンナ的存在のイェリは寝たきりの父親の看病のため居酒屋を営んでいる。オアシスみたいなイェリの居酒屋に入り浸る3人の男たち。ある日新たなオトコが店にやってくるのだが。
ぐだぐだな日々を淡々と
街のチンピラであるイクチュン、脱北者のジョンボム、大家の息子ジョンビン。
居酒屋を営むイェリを囲んで、ぐだぐだとした日々を送っている3人。
ぐたぐたとした日々の中でも、それぞれに抱えている問題はあって、小さな事件が起きたりもします。
この3人、一貫してユル~い感じ。
あっと驚くような結末を迎えても、この3人の日常は変わらない。
何が起ろうといつも通りに、ただ淡々と日々が過ぎていく。
他愛のない日々だけど、この映画の登場人物が大切にしてきたものは、モノクロ画面とは逆に鮮やかな世界、まさにタイトル通り「春の夢」だったのかもしれません。
韓国映画の名作を撮った若い監督たちが出演
チャン・リュル監督と親密な関係だという3人の監督たち。
『息もできない(2009)』のヤン・イクチュン監督、
『ムサン日記 白い犬(2010)』『生きる(2014)』のパク・ジョンボム監督、
『許されざる者(2005)』『悪いやつら(2011)』のユン・ジョンピン監督。
この3人が本名のまま、この映画に出ています。
チャン監督は、脚本を書くときに名前を考えるのに一番苦労するらしいです。
ただ、この3人の名前はが今風でない感じがよくて、水色洞(スセットン)という場所にもピッタリだったので、本名のまま使ったんだそうです。
本名で出演するには、メリットもデメリットもあるんだろうけど、本名で演じることによって素の自分を出せる瞬間があって、この映画に関しては良かったと、ジョンボム監督は言ってました。
ユン・ジョンビン監督は、役柄的に本名で出るの嫌だったみたいですけど(笑)
ジョンボムの元カノの北の美女(シン・ミナ)が訪ねてくるシーンで、イクチュンとジョンビンがシン・ミナを抱きしめるんだけど、ジョンボム監督だけシン・ミナを抱きしめられなかったから悔しかったそうです(笑)。
劇中に出てくるイェリが住む家は、ジョンボム監督の家で玄関の前に居酒屋のセットを作って撮影したそう。
水色洞が再開発エリアになっていて、その家ももう無いらしいのですが、水色洞という場所が都会の喧騒から離れて、本当にソウル?みたいな場所で、この映画のユルさを引き立てている感じがしました。
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