バイオリン弾き(イラン) – アジアフォーカス福岡国際映画祭2017 –
- 2017.09.20
- Last Update: 2017.10.09
- Movie 福岡国際映画祭2017
- アジア映画
「バイオリン弾き / Violinist」
邦題 | バイオリン弾き |
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英題 | Violinist |
製作国 | 韓国 |
製作年 | 2016年 |
監督 | モハマド=アリ・タレビ |
上映時間 | 74分 |
あらすじ-公式サイトより
ひとりの青年を通して描かれるイスラム文化の温かみ
大都会・テヘラン、バザールの片隅でイラン歌謡のバイオリン演奏で日銭を稼ぐ青年。ある夜、ピアノを学ぶ女性が歩み寄り、彼女が通う音楽学校に案内された。西洋式の音楽教育を受けてない彼に新たな生活を手にする機会が訪れる。実在する市井の人々をキャストに据え、彼らの営みをひとつの物語として描く。
足るを知る者は富む
家族を支えるため、バイオリン演奏で日銭を稼ぐ日々を過ごしている10代のキアヌーシュ。
それも大都市テヘランで・・・
日本だとあり得ないような光景に目を疑います。
キアヌーシュにはいろんな災難が待ち受けているのだけど、自分の身に起こる出来事を受け入れるということ、そこに優しさを感じます。
大事なバイオリンを盗られて途方に暮れるキアヌーシュだけど、結局助けてくれたのは(多分彼よりマイノリティということになる)身体障害者の友人ハッサンだというのが、心打たれます。
自分の境遇を受け入れるって本当に難しいことだと思うんだけど、大変な中でも満足することを知っている人は、貧しくても精神的には豊かで幸福である、ということを教えてくれる素敵なストーリーです。
彼か弾いている曲は、イランの歌謡曲らしいのですが、切なかったり、不器用な感じだったり、一生懸命に誠実に向き合って生きてる感じだったり、というのが、キアヌーシュの気持ちを表してて泣けます。
観たら心が満たされるよ
人間捨てたもんじゃないなって思える温かい気持ちになれる映画です。
タレビ監督自身、息子さんを亡くされて、この映画を撮ることが一種のセラピーだったとおっしゃっていたのですが、この映画を観た人にも、小さな温かいものがぽわっと灯って伝わるような、そんな素敵な作りになっています。
自分が大変な時こそ手を差し伸べることが出来るのが人間。
支えあうのが人間。
熊本市賞おめでとうございます!
5番スクリーンを満席にした「バイオリン弾き」。
小さい方の劇場だったにも関わらず熊本市賞を受賞したということは、この映画がいかに素晴らしかったか、ということを物語っていると思います。
今年もさすがのイラン映画、そしてタレビ監督はユーモア溢れるとても素敵な監督さんなのでした~。
タレビ監督の受賞スピーチはこちらから!
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