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GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊

「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」

★★★☆☆

原題 GHOST IN THE SHELL
邦題 ゴースト・イン・ザ・シェル/攻殻機動隊
製作国 アメリカ
製作年 2017年
監督 ルパート・サンダース
キャスト スカーレット・ヨハンソン/ピルウ・アスベック
ビートたけし/ジュリエット・ビノシュ ほか
上映時間 107分
公式サイト GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊

あらすじ

近未来。少佐(スカーレット・ヨハンソン)は、かつて凄惨(せいさん)な事故に遭い、脳以外は全て義体となって、死のふちからよみがえった。その存在は際立っており、サイバーテロ阻止に欠かせない最強の戦士となる。少佐が指揮するエリート捜査組織公安9課は、サイバーテロ集団に果敢に立ち向かう。

近未来の世界

みんな大好き「攻殻機動隊」の実写化です。
かく言う私も、ものすごぉぉぉく期待して観に行きましたよ、と。

ままま、ストーリーはともかく~
近未来ということで、電脳シティ未来都市の作り込みは面白かった。
アジアンテイストでなかなか面白いし、ホログラム映像広告なんかは、これから先、実際あぁなっていくんだなぁとかぼんやりと思いました。
芸者ロボットの動きもなかなか(笑)。

キャストは豪華

ビートたけしの存在感さすがでした。
ビシっと締まる感じ。
一人だけ日本語なのが違和感とかよく聞くんだけど、電脳化された近未来、言語が翻訳されて通じてるんだと思ってましたよ。
ただ、出来れば、ビートたけしのところも字幕付けてほしかった。

スカジョはハマリ役、バトーもなんだか似てたし、トグサも見た目は異常に似てた(笑)!!!そして、桃井かおりも出てるわよ。

攻殻機動隊の実写化

うん・・・
それなりに良かったんじゃないですか!?

往年のファンだと期待値もずっと高いはずなので、厳しめの評価もたくさんあるかと。
素子は最初から素子じゃん、とか
バトーの目は最初から義体化してるよね、とか。
アニメでは大活躍の工作ロボットのタチコマは出ないし、とか。

「攻殻機動隊」の醍醐味は情報戦にあるし、荒巻課長の政治的な駆け引きも面白かったりするんですが、映画ではそこらへんが十分でないし、どちらかというとパワーに物言わせる感じの展開でそこ違うよ!って言いたくなっちゃいましたよ。

もしかしたら、吹き替えで観たら良かったのかも・・・しれませんね。
素子の声は田中敦子さんがやってて、アニメと同じなので。

「攻殻機動隊」には、面白いストーリーがたくさんある(「笑い男事件」とか「個別の11人事件」など)ので、出来れば忠実に実写化してほしかったです。
っていうか、やるなら実写化より3DCGでお願いっ。

はじまりへの旅/Captain Fantastic

「はじまりへの旅/Captain Fantastic」

★★★★★

原題 Captain Fantastic
邦題 はじまりへの旅
製作国 アメリカ
製作年 2016年
監督 マット・ロス
キャスト ヴィゴ・モーテンセン/ジョージ・マッケイ
サマンサ・アイラー/シュリー・クルックス ほか
上映時間 119分
公式サイト はじまりへの旅

あらすじ

現代社会から切り離されたアメリカ北西部の森で、独自の教育方針に基づいて6人の子どもを育てる父親ベン・キャッシュ。
厳格な父の指導のおかげで子どもたちは皆アスリート並みの体力を持ち、6カ国語を操ることができた。さらに18歳の長男は、受験した名門大学すべてに合格する。
ところがある日、入院中の母レスリーが亡くなってしまう。一家は葬儀に出席するため、そして母のある願いをかなえるため、2400キロ離れたニューメキシコを目指して旅に出る。
世間知らずな子どもたちは、生まれて初めて経験する現代社会とのギャップに戸惑いながらも、自分らしさを失わずに生きようとするが……。

Captain Fantastic

理想の哲学を追い、社会をドロップアウトして大自然で暮らす一家が、自殺した母親の葬儀に出るために街へ。6人の子供たちはキャプテン(父親ベン)の命令の下、最低限の高級品であるオンボロバスで珍道中を続ける。
街の人たちと関わり合っていく中で、街の暮らしとのカルチャー・ギャップに戸惑いながら、絶対だったキャプテン(父親ベン)が「絶対」ではないことが分かってきて・・・。

世間の常識にさらされた家族は、あることをきっかけにその絆にほころびが見え始める。
これまで強い信念でキャプテンをやっていたベンは、これまで自分が行っていたことが、ただのエゴだったのではないか、と迷いを持つようになる。

んー。
あるね!
スーパーマンだと思ってた親も「そうじゃない」って気付く日。
私はいつだったかなぁ~
早く自立したくてたまらなかったなぁ、と思い出しましたよ。

普通って何ですか?

常識とは何か?
社会とは何か?
教育とは何か?
幸せとは何か?

自分らしく生きること。
自然の中でも規律を守る事。
いつも笑顔で生活をする大切さ。
真実に向き合うこと。

自分が信じている「普通」という価値観は、他人が見たら「普通じゃない」かもしれない。
皆それぞれの「普通」があっていいじゃない!
人生は、間違えながら、やり直しながら、1歩ずつ進むしかないのかもしれません。

音楽・ファッションが好きな方、家族を想いたい方、ぜひ!

誰もが感銘を受ける、ヒューマン・ロードムービーです。
ラストは本当に心がポッとなる愛らしさ。
ヴィゴも6人の子供たちも、ヒッピーなファッションも、音楽もすべてがパーフェクトです。

映画本編はもちろん音楽が最高ですよ。
Guns N’ Rosesの「Sweet Child O’ Mine」も最高ですし、最後Jònsiで締めるあたり!

リトル・ミス・サンシャイン [Blu-ray]」「ダージリン急行 [Blu-ray]」あたりのロードムービー、「かいじゅうたちのいるところ [DVD]」なんかが好きな方にはおすすめ。

個人的には「はじまりへの旅」ってう邦題がちょっといただけない。
原題の「Captain Fantastic」ままでいいじゃない。

バクマン。/BAKUMAN

「バクマン。/BAKUMAN」

★★★★☆

邦題 バクマン。
製作国 日本
製作年 2015年
劇場公開日 2015年10月3日
脚本・監督 大根仁
出演 佐藤健/神木隆之介/
小松菜奈/桐谷健太/新井浩文/
皆川猿時/宮藤官九郎/山田孝之/
リリー・フランキー/染谷将太
上映時間 120分
公式サイト http://bakuman-movie.com/

<あらすじ>

友情!! 努力!!! 勝利!!!!

優れた画力を持ちながら将来の展望もなく毎日を過ごしていた高校生の真城最高(佐藤健)は、漫画原作家を志す高木秋人(神木隆之介)から一緒に漫画家になろうと誘われる。
当初は拒否していたものの声優志望のクラスメート亜豆美保への恋心をきっかけに、最高はプロの漫画家になることを決意。
コンビを組んだ最高と秋人は週刊少年ジャンプ連載を目標に日々奮闘するが……。

「バクマン。/BAKUMAN」

私は漫画が大好きだ。
「りぼん」や「なかよし」よりも「ジャンプ」が好きだった。

学校帰り、毎週火曜の発売日。
近所の駄菓子屋で「ジャンプ」を買い、一目散で帰って読んでいたものだ。
懐かしい。

成人して久しいので、原作漫画「バクマン。」は読んでないんだけど、
この映画「バクマン。」はスポ根映画だ。

文字通り「友情」で「努力」して「勝利」する構図で展開されるストーリーはちょっとむずがゆい気もするけど、それこそが「漫画」なのだ!
ただ真っ直ぐに、サイコーとシュートが夢に向かって真っ向勝負していく。

青春っていいなぁ~とか
ジャンプ編集部ってこんな感じだろうなぁ~とか
まぁ簡単な感想はいろいろあるんだけど、
とにかく、スポ根なのにオシャレなのだ。

サカナクションの音楽、キラキラした空気の画、プロジェクションマッピング、漫画家の脳内での戦いをイメージ映像にしたアクションバトル。
紅一点の小豆のシーンには常に柔らかさがあった。

生々しいペン先の音、鬼気迫る形相で絵を描くシーン、おじさんとのやり取り。
スピード感も爽快感もあって、観ていて飽きない。

そして、大根監督は「スラムダンク」が大好きなのか?と思うくらいのオマージュ。
ハイタッチのシーンから“燃え尽きてあっさり負ける”ラストまで。

絵や漫画を描いている人からしたら、突っ込みどころもあると思うけど、
何かが好きであるということ、情熱そのものの尊さみたいなものが感じられた。

そして感動したのは、冒頭で紹介されるジャンプの歴史や歴代ジャンプ漫画の背表紙が連続して映し出されるシーン。
日本が誇る「漫画」という文化、歴史、そしてそれを作ってきたジャンプや漫画家達に対して感謝、尊敬の念でいっぱいになる。

この映画「バクマン。」は海外のマンガファンにウケるんじゃない?
日本が誇るサブカルチャーをこれほど描き出した映画はそうないんじゃないかと思った。

主演の二人はもちろんだけど、特に山田孝之が演じる編集者が秀逸。
Tシャツにも注目。

そしてエンドロール。
気付いたときの高揚感、ハンパないです!

唯一漫画だけがつまらない日常を忘れさせてくれる大事なアイテムだったあの頃。
ポップカルチャーの黄金期を体験してきた、
何よりも「ジャンプ」を愛読していたかつての少年少女だった大人の皆様、ぜひ。

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マッドマックス 怒りのデス・ロード/Mad Max: Fury Road

「マッドマックス 怒りのデス・ロード/Mad Max: Fury Road」

★★★★★

邦題 マッドマックス 怒りのデス・ロード
原題 Mad Max: Fury Road
製作国 オーストラリア
製作年 2015年
監督 ジョージ・ミラー
出演 トム・ハーディ/シャーリーズ・セロン/ニコラス・ホルト/ヒュー・キース=バーン
上映時間 120分
公式サイト http://wwws.warnerbros.co.jp/madmaxfuryroad/

<あらすじ>

本物のノンストップ・アクション映画!

資源が底を突き荒廃した世界、愛する者も生きる望みも失い荒野をさまようマックス(トム・ハーディ)は、砂漠を牛耳る敵であるイモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)の一団に捕らわれ、深い傷を負ってしまう。
そんな彼の前に、ジョーの配下の女戦士フュリオサ(シャーリーズ・セロン)、全身白塗りの謎の男、そしてジョーと敵対関係にあるグループが出現。
マックスは彼らと手を組み、強大なジョーの勢力に戦いを挑む。

「マッドマックス 怒りのデス・ロード/Mad Max: Fury Road

主役のマックス役はメル・ギブソンからトム・ハーディへと交代して、監督は前3作に引き続きジョージ・ミラー、続編でもリブートでもない「マッド・マックス」!
「ハッピー・フィート」や「ベイブ」といった可愛らしい作品を撮った監督だよ、と言っても信じられないほどの狂気の地獄絵(笑)

「マッド・マックス」と言えば、マックスの相棒の犬と缶詰だが、残念ながら一切出ない。
続編じゃないしね…ただどうしても観たいって人はここから!

上映時間の98%がアクションという、今年一番ぶっ飛んでる映画なのではないだろうか!
2Dで観たにもかかわらず、とにかく息つく暇がないので観終わった後はぐったり。
3DIMAXで観たらどうなっていたことか。。。とは思ったが、映像はとにかく素晴らしいので3DIMAXで観るべきだった。

マックスがフュリオサと共に行って帰ってくるという内容(ざっくりしすぎ!)なんだけど、とにかくそういうことはどうでも良くて、とにかく観るべし。
上映日が8月21日まで延長されていたので、もう一度観たいなぁ~と思ってるくらいの面白さ!

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国際市場で逢いましょう/Ode to My Father

「国際市場で逢いましょう / 국제시장」

★★★★☆

邦題 国際市場で逢いましょう
原題 국제시장(国際市場)
英題 Ode to My Father
製作国 韓国
製作年 2014年
監督 ユン・ジェギュン
上映時間 127分
公式サイト http://kokusaiichiba.jp/

<あらすじ>

頑固ジジイの生涯はかくも壮絶だったのだ!

朝鮮戦争中、父親と末の妹と生き別れたドクス(ファン・ジョンミン)は、母親と2人のきょうだいと一緒に避難民として釜山で暮らすことに。
まだ幼いながらも家長として家族を守ることを心に誓った彼は、自分のことは後回しにしていつも必死に働いてきた。
その後、西ドイツの炭鉱で働き、ベトナム戦争に従軍するなど、ドクスは何度も命の危険にさらされる。

「国際市場で逢いましょう/Ode to My Father」

こんな家族が、こんなお父さんがいたんだろう。
私の両親世代より少し上の世代に。

ドクスの優先順位は常に「家族のため」。
家長としての重責を負いながら、家族のためだけに身を粉にして働き続けたドクス。

ドクスと親友との友情や、ドクスとヨンジャの恋はユーモアたっぷり。
愚直で不器用なアニキ、ドクスという、その辺に居そうな一人の男の人生を描いた作品で、全体的にコミカルに描かれていて、重い感じがしない。

まさに怒濤のドクスの人生と共に、韓国は徐々に豊かになり、現代グループの創始者・鄭周永とか、世界的デザイナーとなるアンドレ・キムとか、歌手のナム・ジンなど有名人がちょこちょこ顔を出す。
そして「国際市場」というタイトルの意味が明かされてからのエピソードは、涙なしには観られない。

自分ではどうすることもできない状況を受け入れ「こんな悲しみや困難を経験するのが子どもたちではなく、自分たちでよかった」と言い聞かせて生きてきたドクス。
最後の最後でようやく「つらかった」と告白し泣き崩れ、お父さんの唯一の形見を抱きしめるシーンは、自分の人生を抱きしめた瞬間だったのかもしれない。

人にはそれぞれの生き方があって、何が正しいのかは誰も決められない。
「自分らしく生きる」とは、どういうことなのか。
その問いかけすら出来なかった人生だった人もいたかもしれない。
ただ、ドクスの兄貴、あなたの生き方は素敵でした。

今の豊かな暮らしは、それほど遠い昔でない先人たちの困難や苦労があったからこそだと実感する。
だから、今の私たちは無邪気に「自分らしく」と語れるんだろう。

史実のスポットの当て方には意見があると思うけど、物語を貫いているのはあくまでも庶民目線で見た歴史のリアリティ。
韓国人の激情はこういう風に使うべき。

釜山が舞台なので、国際市場の風景は「あぁ、あそこだ!」と分かって楽しい。
東方神起ユノさんが、若い頃のナム・ジンを演じているということでも話題だった本作。
出演時間はほんの一瞬だ(と思えた)けど、ユノさんカッコよかったですよ。

オズの魔法使 ~The Wizard of Oz~

「オズの魔法使 / The Wizard of Oz」

★★★★★

邦題 オズの魔法使
英題 The Wizard of Oz
製作国 アメリカ合衆国
製作年 1939年
監督 ヴィクター・フレミング
上映時間 101分

<あらすじ>

カンザスの農場に住む少女ドロシーは「虹の彼方のどこかに」よりよい場所があると夢見ている。
竜巻に家ごとオズの国に飛ばされたドロシー。
そこで出会った北の良い魔女グリンダは「黄色のレンガ道をたどってエメラルド・シティに行き、オズの魔法使いに会えば、カンザスへ戻してくれるだろう」とドロシーに助言してくれた。
ドロシーは、知恵(脳みそ)がない案山子、心を持たないブリキ男、臆病なライオンと出会い、共に旅をし、たどりついたオズの国から家に帰ろうとする。

「オズの魔法使 / The Wizard of Oz」

言わずと知れたファンタジーの名作。
有名な作品なのに、今まで観なかった自分、反省。
1939年製作というのにも驚き。

「脳みそがないカカシ」は「頭脳」を、
「鍛治屋が心を入れ忘れたブリキの木こり」は「心」を、
「臆病なライオン」は「勇気」を求めて、
オズの魔法使いに会いに行く旅に出る。

ドロシーと旅の仲間は、道中、色々な試練を乗り越えて、オズの大王に会う。
そして自分が欲しいと思っていたもの(「頭脳」「心」「勇気」)を要求するのだが、
「足りないと思っていたものは、すでにある」と指摘され、気付く。
「最初からすでに持っている」と。

事実、冒険中に一番頭を使っているのはカカシで、
一番感情をあらわにしているのは木こりで、
一番勇敢に戦っているのはライオンなのだ。

自分の魅力や個性は、自分ではなかなか気付きにくいのかもしれないし、
自分の能力に自信を持つきっかけは、誰か後押しであるのかもしれない。

最初はモノクロなんですが、オズの国に飛ばされた瞬間からカラーに。
その演出は「おぉー!」と感嘆してしまうくらい。

その後のオズの国のカラフルな世界は観ていてとても楽しいし、
個性的なマンチキンの人たちや旅の仲間たちとの冒険はワクワクする。

ドロシー役のジュディ・ガーランドは愛らしいし、
カカシの足がヨロヨロしてる感じとか、ライオンの尻尾もさりげなく動いていたり、
メーキャップや特撮はずいぶん頑張っていて、今観ても違和感ナシ。

終盤の西の悪い魔女の館に潜入する場面は
「ロード・オブ・ザ・リング!?」みたいな予想外の緊張感!
(こっちが先なんですけどねー・・・w)

ジュディ・ガーランドが歌う「虹の彼方に」は名曲だし、
ブリキの木こりがラッパを鳴らすいきなりの一発芸?「ププッー」には大爆笑、
特典映像も見どころ満点の「オズの魔法使」。
自分探しをしてる人、人生に疲れた人は是非。

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旅人は夢を奏でる – ROAD NORTH –

★★★★★

基本データ:
監督 / ミカ・カウリスマキ
キャスト / ヴェサ=マッティ・ロイリ(レオ:父親)、サムリ・エデルマン(ティモ:息子)

あらすじ
ティモ(サムリ・エーデルマン)はピアニストとして名声を得たものの、私生活では妻と子どもにそっぽを向かれていた。そんなある日、ティモの前に怪しい男が現われる。それは、3歳の頃から音信普通の父親レオ(ヴェサ=マッティ・ロイリ)だった。世界中を旅してきたという自称・元ミュージシャンのレオは、家族や親戚に会いに行こうとティモを連れ出し北へと向かうが、レオは秘密を抱えていて・・・。

「旅人は夢を奏でる -ROAD NORTH-」

ミカ・カウリスマキ監督10年ぶりの新作「旅人は夢を奏でる」。
放蕩親父と堅物息子のフィンランド珍道中。

真面目に生きていても、報われないこともあるのが人生。
たとえ、サイフを盗まれても、笑うことが出来たら良い人生なのかも。
必ず分かってくれる人はいる。

妙なテンポに不思議な面白さがあって、35年の空白を埋める数日間の旅は濃縮度120%!
悲しくて、絶望的で、ブラックユーモアたっぷり。だけど、笑えて心温まる。
お父さんの美声に夢見心地になるの間違いなし。

ヴァンター空港にヘルシンキの街並み、田舎の風景、
フィンランドの人たち、そして大好きなフィンランド語の響き。
どれもこれも懐かしくて、フィンランドの少し陰のある雰囲気が◎。

兄のアキ・カウリスマキ監督よりも
少しライトな映画を撮っている印象のミカ・カウリスマキ監督の作品。
おすすめです。

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ホビット 竜に奪われた王国

★★★★★

基本データ:
監督 / ピーター・ジャクソン
キャスト / イアン・マッケラン(灰色のガンダルフ)、マーティン・フリーマン(ビルボ・バギンズ)、リチャード・アーミテージ(トーリン・オーケンシールド)、ベネディクト・カンバーバッチ(スマウグ)、エバンジェリン・リリー(タウリエル)他

あらすじ
ホビット族の青年ビルボ・バギンズ(マーティン・フリーマン)は、魔法使いのガンダルフ(イアン・マッケラン)や屈強なドワーフの一行と共に、たった一頭で一国を滅亡に導くと伝えられる邪悪な竜スマウグに奪われたドワーフの王国を奪取すべく旅に出る。竜の潜む山を目指す道中、巨大なクモの大群や凶暴なオークたちが一行の行く手を阻むように次々と立ちはだかり・・・。

「ホビット 竜に奪われた王国」

三部作の第二部、ということで、第一部をおさらいしてから観に行ってきた。
ホビットの何が面白いかというと「ロード・オブ・ザ・リング」に繋がっているところ。
だから、ホビットの一部以外にも「ロード・オブ・ザ・リング」をおさらいすると「ホビット三部作」がよりいっそう楽しめること間違いなし。

前作に比べて、今回はほっこりできるシーンはほぼ無い。
逃亡に次ぐ逃亡。戦いに次ぐ戦い。圧迫に次ぐ圧迫。
捕まったり逃げたり流れたり隠れたり…もう大変です!

そして甘酸っぱい恋の予感あり。
イケメン枠ではドワーフのキーリ、エルフのレゴラス、人間で弓の達人バルドが大活躍。
トーリン・オーケンシールドは相変わらずビルボを全く信用していない・・・しっかりしてぇ!

とまぁ、ここまで自分たちの世界の事しか頭にない者同士なんですが、
自分たちの住む世界を救うために立ちあがる成長の物語が「ホビットの冒険」であり「指輪物語」なのだ。
王国を取り戻すためのドワーフたちの戦いから、今回は確実に「ロード・オブ・ザ・リング」に繋がっていく。

川下りのシーン、蜘蛛のシーンなんか、
いや、そこから落ちたらもう圧迫骨折しちゃうでしょ!?というくらいのレベル。
彼らは鍛えてるからな・・・圧迫しなかったかもね・・・。

圧迫骨折から回復した3月に見た「ホビット 竜に奪われた王国」。
マーティン・フリーマンと、ベネディクト・カンバーバッチの共演も嬉しい本作。
上映時間161分があっという間!

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マルタのやさしい刺繍 -Die Herbstzeitlosen-

遅咲きだっていいじゃない!なによりも自分らしく生きていこう!

「マルタのやさしい刺繍」

あらすじ
—————————–
スイスの小さな村に暮らす80歳のマルタ。
最愛の夫に先立たれて抜け殻のような生活を送っていたマルタだったが、
ある日“自分でデザインした刺繍をあしらったランジェリー・ショップをオープンさせる”という若かりし頃の夢を思い出す。

しかし保守的なこの村では、マルタの夢は軽蔑の目で見られるだけ。
それでも、「夢を実現させたい」という思いがあるから、そんなつまらないことは全然気にしない!
マルタは、友人3人とともに夢を実現するために動き出す。
—————————–
何かを始めるのに年齢は関係ない。
自分次第だよ!と、一歩踏み出す勇気をくれる映画でした。

とにかく、おばあちゃん達がかわいい。
マルタが住む村も美しい。
ほんの少しだけ登場するベルンの街並みも素敵。

遅咲き乙女の愛らしい物語。

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迷子の警察音楽隊

久しぶりにTSUTAYAに行ったら、ハリウッド映画の中に紛れて、なんでこんなとこに?
っていう素敵なDVDがあったので、借りて観てみました。

迷子の警察音楽隊

あらすじはこんな感じ↓
—————
エジプトの警察音楽隊がイスラエルへ演奏旅行へ。
空港に来るはずの迎えはなく、自力で演奏会の場所へ行こうとする音楽隊。
しかし、間違えてたどり着いたのは、
砂漠の真ん中の忘れられたようなイスラエルの小さい町だった。
—————

ノーマーク映画だったんだけど、かなり面白かった!
ユーモアとセンス、そしてなんだか物悲しさが溢れるヒューマンドラマ。

エジプトの警察音楽隊は、文字通りイスラエルで迷子になってて、
イスラエルの田舎町に住んでる人たちは、人生に迷子になってるっていう・・・

彼らがお世話になる食堂の女主人が、厳格で規律を重んじる隊長に、
子供の頃観たエジプト映画の思い出を語るシーンがあって、
歴史的に対立が続くイスラエルとエジプトだけど、
文化や音楽や恋は、国境を越えて、心を繋いでいくんだなぁって、ほんわかしました。

ジム・ジャームッシュやアキ・カウリスマキが好きな人は
きっと好きなんじゃなかな~と思います。

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ルナシー

「ルナシー」と聞いて、りゅうちゃん率いるバンド「LUNA SEA」が
頭をよぎった人は数知れないと思いますが・・・、

チェコ映画でヤン・シュヴァンクマイエル、しかもホラーときたら、
これを観ないわけにはいかない!

というわけで「Lunacy(ルナシー)」を観ました。

あらすじはこんな感じ↓
—————
精神病院の職員に拘束されるという悪夢をみたジャン・ベルロは、
暴れて宿の部屋を滅茶苦茶にしてしまった。
居合わせた侯爵が代わりに弁償し、ジャン・ベルロを自分の城へと招待する。
—————

Wikipedia先生によると、ヤン監督は、「食べる」という行為を頻繁に扱うことが多いらしい。
「Lunacy」でも、登場する食べ物は不味そうだし、
肉片のパペットが執拗に出てきて、ちょっと不快感・・・
だけどな~んか病みつきになる感じ?

Lunacy=精神異常、狂気

確かに登場人物はどいつもこいつも頭がおかしくて、
誰を信じて良いか分からない・・・けど、
そういう自分も頭がおかしいんじゃないか・・・と思えてくる幻惑感。

狂気って相対的なもの。
ホラーならではの結末は見応えありです。

I ♥Чебурашка

オレンジの木箱に入って南の国からやってきた、大きな耳の正体不明の生き物。
起こしてもすぐに倒れてしまうので「チェブラーシカ(ばったりたおれ屋さん)」は、
動物園にも受け入れを拒否され、都会の片隅の電話ボックスで暮らしていた。
そんなチェブラーシカが出会ったのは、動物園で働く、孤独なワニのゲーナだった。

ロシアでは知らない人はいない、国民的アイドルチェブラーシカ♪

私がチェブに出会ったのは2001年。
チェブラーシカ見たさに、前売りまで買ってシネリーブル博多に観に行ったっけ。

今年、福岡はシネテリエにて、
またチェブラーシカが公開されるんです!

しかも・・・全4話、完全デジタルリマスター版!!!
2001年に観たときは、3話しかなかったんだよなぁ~、嬉しい~!!!

40年前に制作されたパペットアニメーションだけど、
社会風刺してたり、環境のことや、友達のことなんかを考えさせられる映画なのです。

チェブの魅力にとりつかれ、
チェブ切手をはじめ、絵本やぬいぐるみまで買ってしまった私、
今年は、チェブの公式アルバムと、ぱったり倒れるチェブ人形を買ってしまいました!


寝かせると、目を閉じる!!!
チェブ可愛い~!!!

I ♥ Чебурашка

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