シン・ゴジラ

シン・ゴジラ

「シン・ゴジラ」

★★★★★

邦題 シン・ゴジラ
製作国 日本
製作年 2016年
総監督 庵野秀明
監督 樋口真嗣
キャスト 長谷川博己/竹野内豊/石原さとみ/高良健吾 ほか
製作 東宝
上映時間 96分
公式サイト シン・ゴジラ
なかなか観に行けなかったのですが、ようやく行けました。
12年ぶりの国産ゴジラ。

庵野秀明の「シン・ゴジラ」は凄まじく素晴らしい映画でした。
期待を上回る大傑作で泣いたよ!
まだ観ていない人は、ネタバレを見ずにそっとブラウザを閉じて、映画館へGO~

シン・ゴジラは完全生命体

ゴジラが最初に現れた時「??」と思わせられました。
いつものゴジラじゃないな・・・
あれ?這ってる?

正体不明・・・
気持ち悪っ・・・
エラから鱗の塊みたいな大量の血を流しているよ・・・
おえっ・・・

ドンドン形態を変えていく不気味な化物、個体で進化を続ける完全生命体。
形態が常に進化する生命を超えた生命。
次第にゴジラは今までのゴジラのようになってきて「待ってました!!」と心の中で叫びました。

妙なリアルさ

「シン・ゴジラ」は、現代の日本に初めてゴジラが上陸したという設定で、113メートルの巨大なゴジラが紫色の放射線を出しながら、東京の街を破壊していきます。
日本は、対ゴジラについての一切のノウハウがない中で未知の超巨大生物に立ち向かうことに!

未曾有の事態に政府は慌てます。
防衛出動か?治安出動か?
自衛隊が立ち向かうも全く歯がたたない時の絶望感。

描写がいちいち細かくて、登場人物それぞれの人となりが見えるし、
セリフの細かいところから、どんな人なのか背景がわかる緻密さがあって、すごく面白い。

未曾有の災害。
閣僚の皆さんお決まりのごとく早速災害服を着用し、災害服を来た官房長官が「0.5マイクロシーベルト」とか線量を会見で言ったり。
官邸内の動きがものすごくリアルに感じられるのは、東日本大震災のときの政府を、311でみた風景を思い出すからかもしれません。

登場人物が多い

とにかく登場人物が多くて覚えられません!
主要人物さえ分かれば覚えなくて良いと思いますが。

「シン・ゴジラ」の登場人物は「個」で活躍することはなくて、それぞれ所属の各省庁だったり、内閣、自衛隊、緊急対策チーム、あくまで「集団」として活躍しています。
最後まで「集団」としてゴジラと闘うところは、日本人や日本の強さは「個」ではなく「集団」であると、日本人の本質を描いているのかな~と思ったりしました。

それにしても、副官房長官の長谷川博己はかっこよすぎてしびれました。
一瞬しか出ないような人たちまで豪華で、みんなゴジラと庵野監督好きなんだなーと。

エヴァらしさ

明朝体のテロップ、映像の角度、BGM。
登場人物や組織が登場するたびに明朝体のテロップが現れるところ。
都内が停電して真っ暗闇の中、体のところどころ不気味に赤く光るゴジラの姿は、エヴァ初号機のようですし!

政府内の動きは、エヴァのネルフのオペレータールームのようだし、前線に出る人も裏方の人も一緒に戦っている空気感。
格好いい。

ゴジラはまだまだ進化しそう・・・そしてパンデミック?

「血液凝固剤」と「活動抑制剤」でゴジラを凍結しよう!というヤシオリ作戦。
作戦はうまくいって、無事ゴジラを凍結することが出来ました。

最後、ゴジラを尻尾すごかったんですよ…人間がくっついてました。
あれはゴジラの第五形態だと思いました。
人間型に進化して、分裂してパンデミックみたいになるんではないかと!
人間型だと世界各地に分散できますし。

でも続編はないっぽいです。
あったとしても庵野監督は作らないっぽい(パンフレットで今回一回限りのつもりで作ったという庵野監督のコメントがあります)です。

まとめ

シン・ゴジラは初代ゴジラとは異なる世界観の作品なのですが、初代ゴジラを観たことがある人なら、なるほど!と思わずにはいられません。
庵野監督の初代ゴジラへの敬意が多く見られます。

1954年の初代ゴジラは、ビキニ環礁の水爆実験から着想を得て作られたため、核のメタファーでもあったことを思うと、ラストの凍結ゴジラは、福島原発へのメタファーであると思いました。

色んな事を考えさせられるこの「シン・ゴジラ」。
庵野監督が好きな人、エヴァが好きな人、とにかくゴジラが好きな人、全然好きじゃないって人も観たほうがいいよ!の一本です。