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夜は短し歩けよ乙女

「夜は短し歩けよ乙女」

★★★★★

邦題 夜は短し歩けよ乙女
製作国 日本
製作年 2017年
監督 湯浅政明
原作 森見登美彦
キャスト 星野源/花澤香菜/神谷浩史/秋山竜次 ほか
配給 東宝映像事業部
上映時間 93分
公式サイト 夜は短し歩けよ乙女

あらすじ

所属クラブの後輩である「黒髪の乙女」に恋心を抱く大学生の「先輩」は、「なるべく彼女の目に留まる」ことを目的とした「ナカメ作戦」を実行する日々を送っていた。個性豊かな仲間が巻き起こす珍事件に巻き込まれながら季節はめぐっていくが、黒髪の乙女との関係は外堀を埋めるばかりでなかなか進展せず……。

森見登美彦 × 湯浅監督 × 中村佑介 × アジカン

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大好きな森見登美彦さんの小説のアニメ化、そして湯浅監督の13年ぶりの新作ということで、すごい期待してました!
森見登美彦さんと湯浅監督、イラストレーターの中村佑介さんのタッグと言えば、フジの深夜の『ノイタミナ』枠で放映されていた「四畳半神話大系」なんですけども、このお三方のアートでアヴァンギャルドでシュールな感じがギュッと詰まったこのアニメーションが「夜は短し歩けよ乙女」でまた観られると思うとね…もう期待しかないでしょう!

「夜は短し歩けよ乙女」アニメ版のキャラクター原案は、原作小説のカバーイラストを手掛けた中村佑介さんがやってることも含めて、アジカンが主題歌を担当することなど、完全に「四畳半神話大系」を踏まえた作りの映像化というのも期待をさせる要素でして、そりゃぁもう前売券を買って映画館へ走りましたよ!
※「四畳半神話大系」とクロスオーバーする要素が非常にいっぱい仕込まれているので、「四畳半神話大系」を観るとめちゃ楽しめます。

四季が移り変わっていく4つのエピソード

原作小説では、四季が移り変わっていく、1年(春、夏、秋、冬)の4つのエピソードがオムニバス的に分かれているんですね。
今回のアニメ化では、その4つのエピソードを一晩に起こったことにしているんです。
いろんな体験が凝縮された一夜「まるで1年のような一夜」のストーリーです。

人生の中で特別に濃い時間、夢のようなそんな特別な時間を、観てる方にも体感させてくれる作りになっていて、93分の上映時間はあっという間に終わっちゃいます。
時間の感覚っていうのは、人それぞれに違うんだっていうことも見せてくれているので、その辺の作りもうまいあぁと思いました。

春パート

京都の街並み、ハシゴ酒、詭弁論部の詭弁踊り、すべてが新しい体験をする黒髪の乙女。
多幸感にあふれたパートで、観てる方も楽しくなっちゃう。

夏パート

古本市。
古本を目の前に乙女大盛り上がり、分かります、本のアーカイブ見てるだけで幸せ!
先輩は乙女を追ってるんですけども「四畳半神話大系」の「小津」を思わせる、古本市の神様の子供。
先輩にボーンとぶつかって、ソフトクリームをくっつけちゃう。わざわざ股間にバーン!ってくっついて、そそり立っている…w
そこで児童虐待を疑う古本屋のおじさんの顔のアップがしばらく続く夏パート。笑えます。

秋パート

秋と言えば学園祭。
ミュージカル化されたゲリラ演劇「偏屈王」、これは「四畳半神話大系」の、映画部の城ヶ崎先輩のエピソードを舞台化しているのを見せられるんですけども(笑)
ちょっと無理がある言葉の詰め込み方で始まってたりして「日本語ミュージカルあるある」やっぱりおかしいな!って笑っちゃう。
日常を飛び出して、ミュージカルの非日常な雰囲気を、祭りの醍醐味にクロスオーバーさせててテンション上がります。
大学の中だけはアナーキーな感じがすごく伝わってきて、このパートのパンツ総番長、学園祭事務局長もイイです!

冬パート

先輩の内的葛藤。
絵の見せ方と声の表現だけで魅せてるパートです。

ここは風邪をひいて寝込んでいるっていうパートなんですけど。
風邪をひく、というのも非日常であるわけで、逆の視点で見てみると「風邪もワクワク」だったりするっていう見せ方です。
大人になってからは「風邪がワクワク」ってのはあんまりないんだけど、子供の頃は「風邪はワクワク」でしたねー。

ここはもう冬パートですから、アニメも最終局面に向かっているんです。
妄想がバーッと広がっていって、大アクションシーンが始まって…もう目が離せません。

声優

先輩は星野源がやってまして、良かったです。
セリフが長いんですよね~、森見登美彦作品は!
大変だったと思うんですけど、ハマってました。

そして、本編の主人公、黒髪の乙女。
花澤香菜さんが素晴らしいです。
黒髪の乙女、ぶっちゃけ天然でちょっとクレイジーなんだけど、嫌味なく愛すべきキャラに仕上がったのは花澤香菜さんのおかげだと!
「PSYCHO-PASS サイコパス」の常守朱もそうなんですけど、愛らしい声の中に一本筋が通ってる声っていうか、本当に説得力あって良かったです。

パンツ総番長は、ロバートの秋山です。
学園祭事務局長は、神谷浩史さん。
ミュージカルパートでの掛け合いも必見です!

まとめ

夢を見ているように、脈絡なく連なり転がっていくこの4つのお話が、黒髪の乙女を通して最終的には繋がっていく。
全ては関わり合っている、「これも何かのご縁」で締められる最後、ポトンと落ちる感じです。
「現実のこのクソみたいな世界も、実はものすごく楽しくてワクワクする場所なのかも?!」と思えるような作品です。

全体に夢を見ている感じ、凝縮されていたあの時、みたいな思い出を持っている人なら、すごく楽しめる93分です。
湯浅政明さんにしか作れない、オリジナルでフレッシュな、アニメらしいアニメ。
そしてアニメーションならではの躍動感、自由さもあって「あ~、ワクワクする!」ってなります。

パンフレットも日めくりカレンダーも一見の価値ありですよ~。

現在公開中の湯浅監督の「夜明け告げるルーのうた」はアヌシー国際アニメーション映画祭で最高賞を受賞しています。
「夜明け告げるルーのうた」に「夜は短し歩けよ乙女」ぜひ観てみてください!

虐殺器官

「虐殺器官」

★★★★☆

邦題 虐殺器官
製作国 日本
製作年 2017年
監督 村瀬修功
原作 伊藤計劃
キャスト 中村悠一/大塚明夫/櫻井孝宏/小林沙苗 ほか
配給 東宝映像事業部
上映時間 115分
公式サイト 虐殺器官

あらすじ

9.11以降、テロとの戦いを経験した先進諸国は、自由と引き換えに徹底的なセキュリティ管理体制に移行することを選択し、その恐怖を一掃。一方で後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加。世界は大きく二分されつつあった。

クラヴィス・シェパード大尉率いるアメリカ情報軍特殊検索群i分遣隊は、暗殺を請け負う唯一の部隊。戦闘に適した心理状態を維持するための医療措置として「感情適応調整」「痛覚マスキング」等を施し、更には暗殺対象の心理チャートを読み込んで瞬時の対応を可能にする精鋭チームとして世界各地で紛争の首謀者暗殺ミッションに従事していた。

そんな中、浮かび上がる一人の名前。ジョン・ポール。
数々のミッションで暗殺対象リストに名前が掲載される謎のアメリカ人言語学者だ。
彼が訪れた国では必ず混沌の兆しが見られ、そして半年も待たずに内戦、大量虐殺が始まる。
そしてジョンは忽然と姿を消してしまう。彼が、世界各地で虐殺の種をばら撒いているのだとしたら…。

クラヴィスらは、ジョンが最後に目撃されたというプラハで潜入捜査を開始。
ジョンが接触したとされる元教え子ルツィアに近づき、彼の糸口を探ろうとする。
ルツィアからジョンの面影を聞くにつれ、次第にルツィアに惹かれていくクラヴィス。
母国アメリカを敵に回し、追跡を逃れ続けている“虐殺の王”ジョン・ポールの目的は一体何なのか。対峙の瞬間、クラヴィスはジョンから「虐殺を引き起こす器官」の真実を聞かされることになる。
(「虐殺器官」公式サイトより)

観た後には、ちょっとだけ頭が良くなった気分になれる、そんな不思議な映画です。
そんな気分に浸りたい方は是非ご鑑賞を!

Project Itoh

2009年に34歳の若さで他界した天才SF小説家・伊藤計劃(いとうけいかく)。
彼の遺した3つのSF小説「屍者の帝国」「ハーモニー」「虐殺器官」を3カ月連続でアニメ映画化するというアニメ界、SF界が満を持して臨む、一大プロジェクト。
だったわけですが、映画「虐殺器官」は制作会社が倒産し、制作続行不可能と言われながらも完成まで至った Project Itoh3部作最後の作品です。

素敵チケットにパンフレット。
入場者特典(先着順)のクリアブックマークは、朗読ボイス付き。
アニメ映画は特典が充実しててホント好きー。

『虐殺器官』とは一体何なのか?

人間には「虐殺のための器官」というもの元々備わっている。
言語学者であるジョンは、紛争や虐殺が起こる予兆として「ある言葉」がよく使われてるという事に気付きます。
その「言葉」は「虐殺のための器官」を刺激し ”殺戮本能” を呼び覚ましてしまう。
そこでジョンは、統計的にその言葉=虐殺の文法を導き出し、その言葉によるコントロールをすることで、紛争や虐殺を起こしていたんです。

序盤のシーン、暗殺部隊である主人公たちが任務を遂行する任務地で、現地語を理解するアレックスが車の中で流れる現地語のラジオを聞いていることが伏線になり、後にアレックスは感情の制御ができなくなり暴走します。
これは虐殺の文法と感情マスキングが互いに干渉しあったためだったのです。

ジョン・ポールが語る真理(ネタバレ)

後半戦の大きな見どころ、ジョン・ポールは何故各地で紛争や虐殺を引き起こすのか?
ジョン・ポールの行動原理は「愛する人を守るため」。
愛国心溢れるジョンは、ソマリアのテロで妻子を失ってから、自分の愛している人を失う悲しみに耐えられませんでした。
そして、愛する人々=ジョンの所属するアメリカ人 と
それ以外の人々=ジョンが虐殺の文法を広めて歩いた国々の人々
とをハッキリと分け、愛する人々のためには、その他の人間にお互いで殺し合ってもらい犠牲になってもらう、という理論です。

途上国で内戦や虐殺などの政情不安を意図的に作り出し、母国の平和を実現する。
悪意を持った隣人には隣人同士仲良く殺し合ってもらう。
その結果として、その矛はアメリカに向くことはなく、アメリカ国民は平和に暮らすことができる、というものです。

フィクション(SF)なんだけど

「人の不幸は蜜の味」まさにコレですよね・・・
人を陥れ、攻撃し、楽しむような機能は人間に標準装備されてる。
それがエスカレートしたら「虐殺」は引き起こせるかもしれない。
歴史的な事件(ナチスのユダヤ人大虐殺、ルワンダでの大虐殺、原爆投下、アレッポ虐殺など)を見ていると、人間には「虐殺」をすることができる器官が備わっているように思える。

今は誰もが言葉で簡単に人を憎悪できる時代。
マインドコントロールや刷り込み、プロパガンダ。
日本や世界で起きているニュースを見ていたら、「虐殺器官」の中の混沌の時代がすぐそこまで迫ってきているようにも思えます。

ウィリアムズは「ビッグマックを食べきれずにゴミ箱に捨ててしまうような日常のほうが、争いに巻き込まれるよりも大事だ」と言っていました。
ナショナリズムに舵を切りはじめた世界で、人々が自分のことしか考えなくなったら・・・このウィリアムの意見に反論できない自分もいるんですよ。

ジョン・ポールがやったことは正しいとは言えないけれど、愛する人、大切な人を守るためにという発想は理解が出来る。
自分たちの国の平和は、世界を平和な国とそうじゃない国に二分することで実現している。
この思考はすでに「虐殺器官」を刺激されてるんじゃないかって・・・。

近未来を視覚的に楽しめる

小説映像化の意義としては、SFの世界観やガジェットを視覚的に楽しめる点ですよね。
特殊暗殺部隊のメンバーは、戦闘中に痛みを感じないように痛覚をマスキングしていたり、人を難なく殺せるように感情を無くす「感情適応調整」を受けていたりします。
緑色の目薬を挿せば視界に照準器が写るし、体を透明化(背景に同化させる?)ことが出来る。そして、隊員が見たものは全て映像として他人が見ることも出来たりもします。

乗り込んだ隊員を飛行船から投下する棺桶みたいなポッドや、ポッドから離脱するドローンのような狙撃器、そのポッドは証拠を残さぬように一定時間経つと溶ける仕組みになっていたり。
ランニングの際に設定した目標タイムが自身の姿で映像化、その映像化された自分と競争するとか、そう遠くない未来に実現しそうなガジェットやテクノロジー描写は興味深いです。
人工筋肉を利用した兵器の数々は実際に実現するんじゃないかというリアル感で見応えありです。

語彙が豊富なので頭フル回転

この語彙の豊富さが最初に書いた「ちょっとだけ頭が良くなった気分になれる」ところですね。
おかげで映画上映中は、ずーっと頭がフル回転です。
疲れます。勉強不足を思い知らされます。

日常会話にはでてこないような純文学的な言い回しとかありますし。
文学的な知識まで知っていないと分からないところもありますし。
カフカ著作に関する内容も出てきますし。

「計数されざる」とか言われても・・・
漢字で見ると憶測しやすいんですけど、音で聞くと分からない。
小説を読んでから観たほうが情報が補完されて良かったのかもしれません。

エピローグについて

完全な鬱エンドで、シェパード大尉がジョン・ポールから受け継いだ虐殺文法を用いた告発を行い、アメリカ国内で混乱をもたらすという結末です。
アメリカが混乱に陥れば、テロを仕掛けるような理由もなくなり、今度はアメリカ以外の国を救えるいう、ジョン・ポールとは逆の発想です。
原作小説では「実際に文法の効果があらわれて、アメリカ崩壊寸前」という場面まで描かれていて、アメリカが虐殺の嵐になっている中、ピザを食べている主人公のラストカットもあるんですね。
映画では重要だけど語られなかった箇所があって(母親との関係性だとかルツィアを好きになる部分とか)、やっぱり原作を読んでから映画を観たほうが面白かったかも。

完全なフィクションだとは思えない、どこか本音をえぐられたような気持ちになりました。
全く突飛ではない、どこか身近さを感じさせるところ、目を背けたくなるような現実や描写にも真摯に向かい合ったところ、そしてこのプロジェクトを最後まであきらめなかったこと、すべてがこの作品の凄いところではないかと思います。

あと、PSYCHO-PASSが好きな人は好きだと思います。
PSYCHO-PASSアニメ8話で、槙島とチェ・グソンのシーンで伊藤計劃の「虐殺器官」が引用されているので要チェックですし、世界観もなんだか似ているし、主題歌もEGOISTだし。

小説は難しいって人は漫画も出てますよー。
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この世界の片隅に

「この世界の片隅に」

★★★★★

邦題 この世界の片隅に
製作国 日本
製作年 2016年
監督 片渕須直
原作 こうの史代
キャスト のん/細谷佳正/尾身美詞
稲葉菜月/小野大輔 ほか
配給 東京テアトル
上映時間 126分
公式サイト この世界の片隅に

あらすじ

1944(昭和19)年2月。
18歳のすずは、突然の縁談で軍港の街・呉へとお嫁に行くことになる。
新しい家族には、夫・周作、そして周作の両親や義姉・径子、姪・晴美。
配給物資がだんだん減っていく中でも、すずは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。

1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの艦載機による空襲にさらされ、すずが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。
そして、昭和20年の夏がやってくる――。
(「この世界の片隅に」公式サイトより)

観終わってからも勝手に涙が溢れてくるような素晴らしい作品です。
日本映画史に残る大傑作ですよ!
感想がうまくまとめられないくらいの衝撃です。
映画館で絶対に観た方がいいです。
まだ観ていない人は、ネタバレを見ずにそっとブラウザを閉じて、映画館へGO~

この”世界”の”片隅”に

このストーリーにおける「世界」っていうのは、国、戦争、政治、思想などを全部ひっくるめた大きな物語(歴史)ですね。
「大きな物語」っていうのは、NHKの「その時歴史が動いた」なんかに取り上げられるような人たちのドラマチックなストーリーだったりするわけだけど、その「大きな物語」の中には、我々のような一人一人の人間の積み重ねがあって、その中に「小さな物語」がたくさんある。それがこのストーリーにおける「片隅」ですね。
取るに足らない日々の細々した営みはドラマにはならないけども、この「片隅」のほうから「世界」を浮き彫りにしてる、そういうすごい映画でした。

感性を攻撃してくる

6年もの歳月をかけて調べぬかれ、考え抜かれ、磨き上げ抜かれたアニメーションです。戦時下の広島・呉で暮らす人々の暮らしが生き生きとアニメーションで最大級に丁寧に描かれて、本当にそこに生きていたんだ!と思えるんです。

当たり前の暮らし、仕事、人々の笑顔、青い空、飛んでくるサギ、海の白波や夕陽、野に咲く草花。それは儚いものかもしれないけど、すずさんたちが大切にしてきたものの鮮やかな描写が逆に、戦争に巻き込まれる市井の人たちの言葉にならない悲しみを感じさせます。

原作漫画が素晴らしいし、コトリンゴさんの歌も催涙効果抜群というのもあるんですけど。
すずさんたちの「日々の暮らし」を自分に重ね合わせて観ることが出来るので、126分間、感性がフル活動です。
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食べ物の演出

食べ物の演出はこの物語の一部なんですが、このフード演出が素晴らしいです。
何を食べるか、何をどう料理して、どうやって日々の命をつないでいくか。
食べ物は、すずさんたちにとっては日々の暮らしの中心。
戦況が苦しくなっていくと同時にその変化っていうのは否応なく食卓にも現れるわけです。
その見える食卓の変化=歴史の変化 という風になっているんです(泣)。

ただ、その生活は決して悲惨なものではなく、クスクス笑えるシーンもたくさんあります。
すずさんが明るく料理をするシーンは、オーケストラよろしくの演出でほんわかするし。
普通すぎる日々を過ごしているみんなが愛おしくてしょうがないよ!

要所要所で表示される日付

そんな普通すぎる日々を過ごしているずすさんたちですが、太平洋戦争の真っ只中なわけで、徐々に戦争は激しくなり、「あの日」へのカウントダウンも進んでいきます。
日本人なら誰もが昭和20年8月6日に広島で何が起こったか知っている。
気持ちがグーッとなるわけですね・・・。

それでも、過剰に感情を煽ったり泣かせるような演出はないです。
淡々と日々が過ぎていく。何が起ろうといつも通りに。

すずさん

小さい頃からぼーっとしとる、と言われていたすずさん。
強い自己主張をすることはないけど、自分の感情は絵で表現してきたすずさん。

そのすずさんの声をあてたのは、のんさんです。
おっとりした中に芯の強い雰囲気があって本当にピッタリでした。
のんさんはもちろん、細谷佳正さん、小野大輔さん、声優陣も最強の布陣でした。

映画の後半、すずさんが怒るシーンが3つほどあるんですけども

  1. 北條家に嫁いだことが不幸であり連れ出してほしいと思っているに違いないと決めて迫ってくる水原哲に
  2. 余計な気を回して水原に自分を差し出した周作に
  3. 玉音放送に

特に玉音放送を聞いた後のシーンがすごくて。
右手を無くし、自分から絵を、姪を、父と母と兄を取り上げ、故郷を取り上げ、最後の一人まで戦えと言ったのはお前たちだろうと。
悲しみと痛み、苦しみを内に秘めながら、戦争という不条理にただ毅然と向き合いながら過ごしてきたすずさん。
普段怒らない、おっとりしたすずさんが怒るからこそ印象的です。

普通の暮らしの中にこそ大切なものがある

終戦の日に、大切に取っておいたご飯を炊いて食べるというエピソードがあるんですけども、釜戸からのぼる煙を見た時にじんわりと涙が出ました。
すずさんの家のシーンから呉の町のシーンになって、家のあちこちから釜戸の煙が立ち上がってきて、電気もひとつひとつ点いていく。
「あ、戦争が終わったんだ。暮らしが戻ってきたんだ。」とパッと分かるんですね。

戦後の日本、これから大変なことのほうが多いかもしれない。
だけど当たり前の日々の、普通の暮らしの中に、未来につながる普遍的な宝がある。
そういうことに気付かせてくれるんですね。

クラウドファンディング

この映画は、クラウドファンディングで3912万1920円の制作資金を集めて制作されました。
つまり多くの人がこの原作を映画にしてほしい、と熱望して完成した作品です。
ぜひぜひたくさんの人に見てほしいと思います。

まとめ

死んだにはちは言っていた「この戦争には負けると知っていた」と。
台湾でパンツを盗まれて悔しくて歯ぎしりしたと。
歯ぎしり?地団太?・・・ちょっと笑っちゃうじゃん。
「片隅」で戦時下にいた海兵隊員のにはちでもそうことがあったんです。

そう、実はこの映画、基本めちゃめちゃ笑えます。
あの悪夢の日にもやっぱり笑っちゃうことは起こってて、それを見る側も自然に笑っちゃっうっていう。
涙出てたのに「ふはは」って。全編通してオチがあるんです。
ブレてないんです、そこに本当に感動します。

2回観に行ったんですけど、1回目はまっさらな状態で初めて見て「ガーン」ってなって、原作漫画や映画パンフ、公式資料を見てからの2回目。
改めてさらに感動が増しました。

3回目はさらにですよ、きっと。で、きっと行きますよ。
2回目、ちょうど行った日がクリスマス前でして、素敵なポストカードを頂きました。

原作は読んでも読まなくても大丈夫ですけども、読んだ方がより映画では語られない部分が補完されて良い感じです。
ぜひ。

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GANTZ:O

「GANTZ:O」

★★★★★

邦題 GANTZ:O
製作国 日本
製作年 2016年
総監督 さとうけいいち
監督 川村泰
キャスト 加藤勝/小野大輔
山咲杏/M・A・O
製作 デジタル・フロンティア
上映時間 96分
公式サイト GANTZ:O
累計発行部数2100万部の奥浩哉原作の大ヒットコミック
「GANTZ」がフル3DCGでアニメ化!
その中でも人気の高い「大阪編」がこの「GANTZ:O」なのです。

前売券を買いました

前売券はオリジナルボイスドラマ&描き下ろしラスト付き。
オシャレ前売券、最近のはテレフォンカードみたいになってるんですねー。

GANTZのあらすじ

ある日、玄野計は地下鉄のホームで小学生時代の親友だった加藤勝を見かける。正義感の強い加藤は線路上に落ちた酔っ払いを助けようとするが、助けに入った玄野と共に、進入してきた電車に轢かれて死んでしまう。
次の瞬間、彼らはマンションの一室にいた。そこには、同じ様に死んだはずの人々が集められていた。部屋の中央にある謎の大きな黒い球。彼らは、その「ガンツ」と呼ばれる球に、星人を「やっつける」ように指示され、別の場所へと転送されていく。謎の物体「ガンツ」に集められた死んだはずの人々は理由もわからないまま、その素質の有無に関わらず、謎の星人と戦わなくてはいけない。玄野はその中で、戦いに生き延びながら成長し、「ガンツ」の世界に触れていく。
出典:GANTZ – Wikipedia

今回映画化された「大阪編」は原作漫画の21~25巻で、実は玄野計(主人公)はその前のオニ星人編で死んじゃってるんです。そこで、準主役である加藤がゲームに参加し、ガンツの100点メニューから殺された玄野を生き返らせようとするところからスタートします。

大阪編の始まる、原作漫画21巻のあらすじはこんな感じ。

玄野・和泉の両雄を失ったままに新たなミッションへと転送されてしまうメンバーたち。玄野の死を悼む余裕すらなく、たどりついたその場所はどこか見慣れない場所。眼前に広がっていたのは、大阪・道頓堀の街並みだった…。そこで、メンバーが出会ったのは同じガンツスーツの見知らぬ一団。彼らは敵か味方か!?シリーズ最大の破壊と蹂躙が幕を開ける新章ガンツ!
出典:Yahooブックストア

原作と映画では少し話が違います

原作では、加藤が玄野を生き返らせようとゲームに参加するんですけども、GANTZ:Oの加藤は何も知らない所からスタートです。
通り魔に刺され、転送されてGANTZの戦いに巻き込まれていきます。

原作漫画と映画は話が違うんですが、「GANTZ」の話自体は「死んだはずの人間が集められ、星人と戦わせられる」というすごくシンプルなものなので、GANTZを知らない人も何も問題なく観られると思いました。

フル3DCGアニメーションの映像美に圧倒される

亜人」で予告で流れていた時から「お?なんかスゴくない??これ観たほうが良くない?」って思っていたのですが、期待以上の映像でした。
日本の3DCGがGANTZの世界観に追い付いたっ!と感動せざるを得ない出来栄え!

こんなにハイクオリティな映像が作れるなんて…
モブにも手を抜かないスタッフに拍手喝采です。

大阪の街並み(道頓堀)なんて実写なんじゃ?と思うくらいに再現されていましたし、GANTZで登場する武器や兵器も馴染んでいて、「ガンツバイク」や「Zガン」が、原作漫画を読んで想像していた通りの挙動、キャラクターもCGか本物か分からない瞬間なんかもあって、もうホントすごかった。

ガンダムみたいな巨大ロボやハードスーツなんかも素晴らしい出来でした。
水木しげるもびっくりの妖怪たちの出来栄え、武器の造形、すべてが私好みのパーフェクトでして、原作の世界観が見事に表現されています。

モーションキャプチャー

GANTZ:Oでは、キャラクターの動きはモーションキャプチャーで作られているので、動きも本物に近いです。
モーションキャプチャーと言えば「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラムを思い出します!

GANTZ:Oを作ったデジタル・フロンティアですが、お台場にアジア最大級のモーションキャプチャースタジオを持っているそうです。
スタジオにはT160というカメラが100台あって、1台が800万円するという…
こんなハイクオリティな映像が作れたのも納得です!

Gigazineさんにて特集記事があるので必読です。
超面白いです。

デジタル・フロンティアに「GANTZ:O」をどう作ったのか徹底的に聞いてきた

  1. その1・キャラクター編
  2. その2・背景編
  3. その3・モーションキャプチャー編
  4. その4・アニメーション編
  5. その5・フェイシャル編
  6. その6・セットアップ編
  7. その7・エフェクト編
  8. その8・コンポジット編

声優陣

大阪チームの男性陣は芸人が声優を務めていまして、大阪弁の違和感がなくて良かったです。
レイザーラモンRG、HG、ケンコバさんですね。
室谷、島木、岡八郎という、吉本興業を彷彿させる名前なので、これが意外と効果的だと思いました。

主人公、加藤役の小野大輔さんも「モーションキャプチャーの表情に合わせて声を充てた」って言っていて、表情と声がすごくマッチしております。
あと、私が好きな(笑)小野坂昌也さんという声優さんがいるんですが、大阪チームのモブなんですけど、すごい声通ってて、すごくイキイキしてたのが面白くて、ちょっと引きずっちゃいましたw

観るなら4DXがいいですよ

そんなGANTZ:Oですが、
まずは2Dで普通に観たのですが、面白すぎたので4DXでも観ました。

4DXだと、妖怪たちとのバトルアクションシーンがすごく楽しめます。
血しぶきのところなんか、水がピャッとかかります!
振動とか煙とか、音もダイナミックですし、
おっぱいシーンなんかは、ほわんっと甘~い匂いが漂ってきたりして最高です。

ヒロインの杏ちゃん、レイカもすごく可愛いし。
奥先生の作品は、女性のおっぱい魅力的ですよねー。
いいなぁ、あんなおっぱい。

主題歌

ドレスコーズの「人間ビデオ」。
じゃんじゃんじゃかじゃか じゃんじゃんじゃん うわぁぁぁ
GANTZにピッタリで素敵です。ぜひ。

まとめ

原作と映画で違うストーリーにはなっているものの、綺麗にまとめられています。
初めて参加したはずの加藤ちゃ有能すぎない?という違和感にも納得のいく答えが用意されていますし。
原作を読んでいた頃の「不条理な世界への挑戦」みたいな未知のワクワク感を十分楽しめる映画になっています。

原作を読んだことがある人にはもちろんぜひ見てほしいし、
原作を読んだことがなくて映画を先に見るよ、という人だったら、
確実に原作を読んでみたくなる構成で、この映画に携わった皆さんにスタンディングオベーションです。

フル3DCGアニメという選択肢は「GANTZ」のように
実写化が難しそうな作品には持って来いだということを確認させられました。

実写で得ることが出来ないアニメーションならではの表現
原作の世界観を壊さず、見る側にちゃんと伝わって楽しめる優れものですね。
「ジョジョ」や「亜人」の実写化も、もうフル3DCGでいいじゃんね。

日本の漫画は本当に面白い!
そして日本は3DCGも凄かった!!

亜人 最終章 -衝戟-

「亜人 最終章 -衝戟-」

★★★★★

邦題 亜人 最終章 -衝戟-
製作国 日本
製作年 2016年
監督 総監督:瀬下寛之/監督:安藤裕章
上映時間 121分
公式サイト 亜人

「劇場版 亜人」3部作の最終章となる【衝戟(しょうげき】のストーリー

「これが、カウントダウン開始の合図だ」
第2ウェーブ――“浄化”が始まった。
石丸、桜井、岸、甲斐、李……リストの順番通りに殺されていく要人たち。
だが、日本政府は断固としてテロリストには屈しない姿勢を貫く。水面下で動く、警察、対亜特選群、自衛隊、米国国防総省、そして、亜人管理委員会役人・戸崎と高校生亜人・永井圭。
「第2ウェーブの終了とともに、我々は次のウェーブへとコマを進める。第3――それが、最終ウェーブだ」圭は、亜人である佐藤を無力化するための策を練るが、彼の気付かぬところで計画は綻びを見せ始めていた……。ついに動き出した、亜人過激派集団。史上最悪最凶のテロリスト・佐藤の真の狙いとは――?佐藤を止めるのは、誰だ。

「亜人」とは?

「亜人」と呼ばれるその生物は「死なない」。
主人公の高校生・永井圭は、ある日、交通事故で死ぬが、その直後に生き返った。
決して「死なない」未知の新生物「亜人」、亜人を研究するために何としてでも捕獲しようとする国家、多額の報奨金を得るために亜人を捕えようとする人々、そしてそれを利用しようとする者―――様々な思惑に晒されながら、主人公・永井圭とその幼馴染・カイは必死の逃避行を繰り広げる。
「人間としての」穏やかな暮らしが待っているのか、それとも…というのが話のあらすじ。

3週間の限定公開ですぞ

ということで観てきました、最終章「衝戟」。
原作の漫画はまだまだ続いているのですが、劇場版としては完結しております。
ワタクシ、劇場版1部、2部は未観なのですが(アニメ1期は観たよ)、観ていなくてもアニメ観ていれば分かるから問題なしです!

亜人過激派集団、史上最悪最凶のテロリスト・佐藤

佐藤さん、最強なんです。
死なないからとにかくエンドレスだし、頭良すぎるから殺しもゲーム。
クリアしたら次に挑みたくなる、邪魔するものは排除する。

亜人の未来のために戦うと言って集めた仲間たちからも、佐藤さんおかしいんじゃないか?って思われるくらいの狂気です。
狂気の度を深めていく佐藤さんに、みんなついていけなくなって離反しちゃうんだけども、それすらも計算かなと。
佐藤さん、すべてが「ゲーム」なので、仲間を減らしてゲームをハードモードにしたかったんじゃないでしょうか。

そして、佐藤というキャラをここまで魅力的なものにした声優の大塚芳忠さん。
この人がいなければここまでなっていないかと。
単なる悪役じゃないんですよ、存在感が半端ありません。

永井圭の変化

主人公の永井圭は、妹にまで「クズ」とか言われちゃってるんです。
圭の本質は合理的でどこまでも冷たい、とにかく現実主義な感じ。

その圭がですよ。
最後はね、やはり佐藤と対決すると決意するまでの成長ストーリーでもあるわけです!
いつも冷静な圭が、熱くなっていくシーン、見どころですね。

プレスコすごいですよ

亜人は「プレスコアリング」で作られまして、これ本当にすごい。
「アフレコ」とは逆で、先に台詞や音声を収録してから映像を作っていく手法です。
ト書きだけでイメージを共有して、声だけで芝居するという…想像力が豊かじゃないとできないね!

声優(役者)陣の演技力や現場の臨場感をフルに活かせられる分、アニメーターはすごく大変だったかと。
とにかく、演技と映像との融合、これもう見る価値ありです、素晴らしいです。

感想箇条書き

  • 戦闘シーンは瞬きできない(IBM同士の戦いは映画館で観るべき)
  • 声優陣が豪華すぎ、作品への真摯な向き合い方に心打たれる
  • IBMのこと「ユーレイ」って言ってるのが好き
  • 週替わりのスペシャルドラマがある、毎週どうぞ
  • 死なない亜人、深い。生きていく事を考えさせられる
  • 見応えがあって全然飽きない
  • 最終章とか言っときながら続編ありそう(何しろ亜人はエンドレス)
  • 佐藤は化け物

「亜人」控えめに言って…めっちゃ面白かったー。
怒涛の121分ですよ、もう疲れるけど、あっという間に終わってしまった~!
個人的には「君の名は。」の5倍楽しめた…。
もう一度見たいくらいだけど、もう行く暇ないな~。

君の名は。

「君の名は。」

★★★☆☆

邦題 君の名は。
製作国 日本
製作年 2016年
監督 新海誠
上映時間 107分
公式サイト 君の名は。

この夏、日本中が恋をする

いや、ホント「日本中が恋をした」と言っていいですよね。
1,000万人動員、150億円突破とか聞くとね~。
大ヒットしているというので、なんだか「観に行かなきゃいけないんじゃないか?」という義務感(?)で観に行きました。

山深い田舎町に暮らす女子高校生が夢で見た、東京に暮らす男子高校生。
奇妙な夢を通じて入れ替わり導かれていく、世界の違う2人の隔たりと繋がりから生まれる(色んな意味での)「距離」のドラマ。

時間軸に混乱する

時間経過の表現が最初観ていて分からない感じで、現在と過去の時間軸が巧みに交錯していると分かったのが中盤らへん。
途中で気づいたのが、扉や引き戸を足元あたりで捉えて開閉するカット。
扉の開閉が主人公ふたりの世界の境界線を意味している?

中盤あたりから少しサスペンス要素ありで面白い

時間軸が交錯する中で、夢での入れ替わりが出来なくなった瀧が三葉に会いに行くあたりから、ストーリーがサスペンス展開になってきて、観ている方も瀧の想いのほうに引きずられる感じで、事件を紐解いていく(組紐・彗星はキーワード)感覚になる。

三葉の家族の話もちょっとシリアスだし、その後の彗星の行方も分かるだけになかなか辛いシーンが続く。一生懸命駆けずり回る三葉たちを応援している自分は、もうもしかしたら瀧の想いと一緒なのかもしれない。

ただ映像が抜群に綺麗だし、彗星のシーンも本当に綺麗だから、そこまで「重いわ~」「辛いわ~」って感じにはならない。
最終的にはハッピーエンドだから、多幸感の残る映画になってます。
これが実写だったら違う終わり方のほうが好きだったかもしれないけど、アニメだからハッピーエンドのほうがしっくりきたのかもね。

「君の名は!?」「君の名は!?」

「君の名は。」のPVを観ていた夫が、最後の方の「君の名は!?」「君の名は!?」の掛け合いところで「クンタ・キンテー!」って。
なんかもうそれだけで、じわじわきちゃってて。

ここ多分感動シーンなのに笑ってしまうなぁ…
映画大丈夫かなぁ…と思いながら観てたんですけども。
やっぱり「クンタ・キンテー!」が頭をよぎったね…
くすってなったよね…感動シーンなのにね…

クンタ・キンテは『ROOTS/ルーツ』というドラマの主人公の名前で、奴隷商人によってアフリカからアメリカへ連れてこられた若者クンタ・キンテとその子孫たちを主人公に、黒人奴隷の歩んだ苦難と闘いの歴史が描かれた真面目なドラマ。決して笑えるドラマではないです。小学校の頃に観て、ドラマの内容にかなりの衝撃を受けて、クンタ・キンテの名前は一生忘れられないものに。
ROOTS/ルーツ』リメイクされたらしいので観てみたい。

時間系とか入れ替わり系のアニメ

「時をかける少女」とか「転校生」とか、まぁ色々あると思うんですけども。
私が一番好きなのは今敏の「パプリカ」です。

宮崎駿の後をいくのは今敏だと思ってた…46歳で亡くなっちゃったんですけど。
「パプリカ」の原作は筒井康隆なんですけど、あの筒井康隆のまぁある意味単純なストーリーを、複雑で混乱させるようなアニメ映像に落とし込んでいるところが今敏の魅力です!
大好きです!

「君の名は。」感想箇条書き

  • 主人公ふたりとも可愛い
  • 神木隆之介はアフレコもうまい
  • 映像がとてもきれいで見応えあり
  • 日本文化へのリスペクトが感じられる
  • RADWINMPSとBUMP OF CHICKENの違いがよく分からない
  • クンタ・キンテが頭から離れない
  • アニメが好きなら観てみて
  • 今敏の「パプリカ」のほうが好きだな、やっぱり
  • EQが低い人にはあまり響かないのかもしれない(ちなみに私は200満点中65)

EQ測定はこちら

君の名は。」面白かったです。
誰が見ても「面白かったよー」って思うだろうな、っていう作品です。
2回目を観たら、伏線が張ってあるところなんかにも目が行くだろうから、また違う感想になるんだと思いますねー。