愛しのゴースト Pee Mak -พี่มาก..พระโขนง-(タイ) – アジアフォーカス福岡国際映画祭2013 –

愛しのゴースト Pee Mak -พี่มาก..พระโขนง-(タイ) – アジアフォーカス福岡国際映画祭2013 –

アジアフォーカス福岡国際映画祭2013、10本目は

「愛しのゴースト Pee Mak -พี่มาก..พระโขนง-」

★★★★★

基本データ:
監督 / バンジョン・ピサンタナクーン (Banjong Pisanthanakun)
キャスト / マリオ・マウラー(MARIO MAURER)、マイ・ダーウィカー(MAI-DAVIKA HOORNE)、ナタポン・チャートポン(NATTAPONG CHARTPONG)、ポンサコーン・ジョンウィラート(Pongsatorn Jongwilas)
あらすじ
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身重の妻を残し、戦争に召集された夫。死線を乗り越え、愛する妻のもとに帰り、遂に我が子を抱きあげる。しかし、村人が言うには妻子はすでに死んでいる…!?
タイで歴代最高興行収入を記録したメガヒット・ホラー・コメディ。恐怖と笑い、だけじゃない!異色の愛の物語。

「Pee Mak -พี่มาก..พระโขนง-」

>>> 以下、多少ネタバレあり <<<

死が二人を分かつまで-。
それってホント?愛だろ、愛っ!

タイでは誰でも知っている有名な怪談「メーナーク・プラカノーン」の2013年版ということで、タイでのタイトルは「ピーマーク・プラカノーン」だそう。今回のリメイクでは、妻のメーナークの夫、ピーマークとその戦友たち4人を軸にストーリーが展開していく。

マークは徴兵され、身重の妻のナークを残して戦場に。負傷したマークは、激戦をくぐり抜け、戦友たちとプラカノーンの自宅に戻って来る。マークとナークは喜びの再会を果たし、マークは戦友たちをしばらくの間離れに泊めることにした。

しかし、マークらが村へ行くと、どうも村人たちの様子がおかしい。皆が妻のナークは幽霊だと言う。
戦友たちは、友達のマークを助けるべく色々と策を練るのだが・・・。

マークとナーク、戦友たちが繰り広げるドタバタホラー・コメディ。
途中まではどっちが幽霊なのかよく分からないし、そういう自分も実は幽霊だったりするの?・・・なんて思えてくる幻惑感(笑)。

冒頭の戦闘シーンはかなり迫力があって見ごたえがあるのに、笑えてしまうのは、良い演出、編集があったからだろうと思う。撮影もクオリティが高いのだ(タイ映画のクオリティの高さは「レッド・イーグル」でも感じた)。

冒頭で戦友の一人が、「この戦争を乗り切るために!」と一生懸命仲間に話しているシーンがあるのだが、タイの言葉や習慣、言い伝え、歴史など、外国語に訳すことが出来ないようなことを話しているので、翻訳の際に、誰にでも分かるように表現を変えているのだそう。例えば、タイの人なら誰でも知っている英雄の話をしているとしても、字幕では「ラストサムライ」とか「スリーハンドレット」とかにしているので、外国で配給されてもみんな楽しめるようになっている。
本当にこの冒頭では、編集の妙・翻訳の妙とでも言えばいいのか、戦闘のシーンなのに笑ってしまう。

そして最後は、ほろりと泣かせてくれる。
マークとナーク(名前が似てる・・・)の強い愛の物語。
死は、マークとナークの愛を引き裂くことが出来るのか。
日本公開があるとのことなので、それは観てからのお楽しみ。

マーク役のマリオ・マウラーは、ちょっとヘナチョコだけど愛妻家で純粋さが出ていて可愛らしいが、愛を信じる強さがにじみ出ていた。
ナーク役のマイ・ダーウィカーは、綺麗すぎてある意味怖いくらいだけど、その中に少女らしい可愛らしさを持ち合わせていたように思った。
特に良かったのは、マークの戦友たちを演じた助演の4人。抜群におかしい!4人が4人とも必死でマークを助けようとしているのに、まったく噛み合わない。見事に笑いを取っていて、でも友達って良いな、こんな友達いたら楽しいな、と思わせてくれる。

エンド・ロール中に後日談が流れるのだが、それも傑作だ。
後日談の戦友4人のサイドストーリーなんてどうだろう。だめ?

福岡国際映画祭、最終日に見たこの「Pee Mak -พี่มาก..พระโขนง-」。
バンジョン・ピサンタナクーン監督のQ&Aがあったのだけど、監督が「本当に最後の最後だから後悔しないように質問をどうぞ」とのことで、幼稚な質問だけどさせてもらった。

妻ナークの手料理をみんなで食べるシーン。
マーク、戦友たちは「これは”旨味”が出てる。美味しい」と口々に言う。
本当に日本語で「うまみ」と言っているのだ。タイ語でも「旨味=うまみ」なのですか?と質問!

実は「旨味=うまみ」タイの味の素CMでの宣伝文句だそう。
タイの観客「あの時代に味の素なんてあるわけないだろ!」と大爆笑。
バンジョン・ピサンタナクーン監督いわく「Pee Mak -พี่มาก..พระโขนง-」には、時代背景とはそぐわない言葉がいくつもあるけれど、それが現代の人に分かりやすく伝わっている、とのこと。

他にも、お歯黒にしているので歯磨き粉のCMに出演することになった裏話とかあって、大変面白かった。
味の素のCMにも起用されるといいね(笑)!

予告編からもホラー映画な要素はたっぷり出ているのだが、コメディであり、ロマンスであり、そう、愛のホラーであり、一口で3度美味しい映画!
またまたタイ映画に恋してしまった。日本公開が待ち遠しい(*^^*)

バンジョン・ピサンタナクーン監督のサイン

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吹替版が良かった…ホント。
タイ語で観てたから、なおさら良かったのかも。

声優さんたち、雰囲気すごくつかんでた!
小野大輔さん、神谷浩史さん、櫻井孝宏さん、福山潤さん。

マーク、へなちょこ過ぎなのにめちゃカッコいいのがもうツボ。
小野D のキャラと被る…マーク似合いすぎw

バンジョン・ピサンタナクーン監督もニッコリですね、こりゃ。
吹替版いいなぁって思ったの初めてかもしれません。